インドネシア大統領 ミャンマー民主化「支援」


インドネシアのユドヨノ大統領は一、二の両日、ミャンマーを訪問し、軍政最高意思決定機関、国家平和発展評議会(SPDC)のタン・シュエ議長と会談した。会談に同席したインドネシアのアラタス元外相がロイター通信に明らかにしたところでは、ユドヨノ大統領はインドネシア民主化の経験を説明し、ミャンマー民主化を支援することを申し出た。タン・シュエ議長はこれを歓迎し、同国政府が自ら発表した七段階の民主化行程を説明した。(バンコク 岩田智雄)(産経)




■【インドネシア】 欧の中・越靴ダンピング、イ移管確実視[製造]


欧州連合EU)が4月から中国とベトナム製の靴に反ダンピング(不当廉売)措置を取る方針を決定したことを受け、大手靴ブランド5社が関税面で有利になるインドネシアに発注先をシフトするとの見方が強まっている。輸出拡大の見通しを受け、今年のインドネシアの靴輸出高が5,000万米ドル増加するとも予測されている。
工業省金属機械繊維産業局のアンサリ局長は、EUが4月から5年間、中国とベトナム製の靴に反ダンピング関税を課せば、欧州の大手靴ブランド「プーマ」「アディダス」「ロックポート」「クラークス」「ラコステ」の5社が、両国からインドネシアに発注先をシフトするのは確実との見解を示した。ビスニス・インドネシアなどが伝えた。
EUが適用する靴の輸入関税17%に、中国とベトナム製の靴に対して課す反ダンピング関税率19.4%と16.8%がそれぞれ上乗せされれば、両国製の靴の関税率が37%近くに達するのに対し、インドネシアは一般特恵関税制度(GSP)の枠内で3.5%の関税軽減が適用されることから関税率が13.5%にとどまる。このためインドネシア製の靴が価格面で大きな競争力を持つようになるとみられている。
ただこれら大手ブランドは、インドネシアに新規靴工場を建設するのではなく、低率にとどまっている既存請負工場の稼働率を引き上げて増産に対処するとみられている。アンサリ局長は、アディダスがすでに従業員3万6,000人規模の生産工場の稼働率を引き上げたとしており、インドネシア製靴業協会(Aprisindo)が、この需要拡大の機会を生かせる企業の選定に向けて調整を図ると述べている。
同局長は、5ブランドのうち「プーマ」と「アディダス」の2ブランドだけで今年のインドネシアの靴輸出高が5,000万米ドル増加すると期待を示した。昨年の輸出高は13億〜14億米ドルとみられている。

■業界「早急に環境整備を」
ただ、製靴業協会のユディ事務局長は、違法徴収金を含む高コスト経済といった事業環境の障壁となる諸問題を政府が早急に解決すべきと指摘している。製造業の活動がまだ停滞する中で、「事業環境を改善してから潜在性について話すべきで、苦い現実の前で甘い言葉を語るべきではない」とコメントしている。
大手ブランドがインドネシアへ発注先をシフトする可能性については、業界がこの機会を最大限活用できるよう政府が仲介役となるべきとの見解を表明。また、靴業界が直面している課題の一つとして、原料の皮革を輸入する際の検疫手続きを挙げており、規定整備の必要性を指摘している。


■インドとの協調強化を宣言 ブッシュ米大統領


◎【ニューデリー3日共同】ブッシュ米大統領は3日、ニューデリーの古城「プラナキラ」で、初のインド訪問を締めくくる政策演説を行い、「偉大な2つの民主主義国家によるパートナーシップは世界を変革する力を有する」と述べ、世界の平和と繁栄に貢献するため、米国とインドの協調関係をさらに前進させていく決意を表明した。

台頭する中国をにらみ、インドを「戦略的パートナー」と位置付けるブッシュ大統領は演説で、今後の対インド政策の包括的な指針を提示。テロとの戦いのほか、貿易・投資、エネルギー、科学技術など広範な分野で協力関係を強化することを宣言した。

大統領は、多様な民族と宗教が平和裏に共存するインド社会は「自由と民主主義の偉大さの実例だ」と指摘した。




米大統領、インド南部訪問=デモ隊と警官隊衝突で5人負傷


◎【ハイデラバード(インド)3日】インド訪問中のブッシュ米大統領は3日、南部の都市ハイデラバードを訪れ、農民や女性ボランティアらと対話した。一方で同市内では大統領訪問に反対するイスラム教徒と警官隊が衝突し、警察によると、5人が負傷した。(写真はハイデラバードの農業大学を訪問した際に女の子を抱き上げるブッシュ大統領

ブッシュ大統領はハイデラバードの農業大学を訪問し、農民らと会った。また、ビジネススクールでは若い起業家と意見交換。2日にシン首相と合意した原子力協力について、「きのうわれわれは冷戦を過去のものとし、戦略的パートナーとして前進した」と評価した。

一方、ハイデラバードのモスク(イスラム礼拝所)の外では3日、金曜礼拝の後、約5000人が警官隊へ投石を開始。警官隊は警棒を振りかざして群衆をモスクへ押し返したが、投石が続いたほか、一部のデモ参加者は通りでブッシュ大統領の人形を燃やした。

この日、ハイデラバードの商業地区では、イスラム教徒指導者がブッシュ大統領訪問に抗議する目的で都市をマヒさせようと呼び掛けたため、商店が軒並み営業しなかった。〔AFP=時事〕




■インドにウラン輸出せず…豪外相


◎【シドニー=樋口郁子】オーストラリアのダウナー外相は3日、米国とインドがインドの原子力エネルギー開発の協力で合意したことを受け「豪州は、インドが核拡散防止条約(NPT)に加盟しない限り、インドにウランを輸出しない」と述べた。
 豪州のウラン埋蔵量は世界の40%を占め、最大を誇る。豪州は、ウラン輸出相手国に対しNPT加盟を条件づけている。

 一方で同外相は、今回の米印合意でインドの民間原子力部門への国際原子力機関IAEA)の査察が可能となることについては歓迎した。(読売)




■インドにF16戦闘機など売却用意、米国防総省が発表


◎【ワシントン=五十嵐文】米国防総省は2日、インドに対し、「戦闘機、ヘリコプター、偵察機、艦船」などについて武器取引を行う予定があると発表した。
 具体的にはF16戦闘機やF18戦闘機の売却の用意があるとしている。同日の米印首脳会談で原子力協力で合意したことを受け軍事面での協力強化を目指すものだ。


IAEAのイラン対応は政治的動機が背景=アハマディネジャド大統領


◎[クアラルンプール 3日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は3日、国際原子力機関IAEA)のイランに対する態度には政治的な動機が背景にある、との見方を示した。

 IAEA理事会の開催を前に、英独仏の欧州3カ国はこの日、イラン側の交渉責任者との協議を行う。

 大統領は訪問先のマレーシアでの講演で「残念なことに多くの国際機関は政治的な組織になってしまっており、大国の影響力により、公正かつ法的に正しい判断ができなくなっている」と述べた。

 その上で「IAEAのイランへの対応は政治的動機に基づいている」と非難した。




■イラン、英独仏と平行線 ウラン濃縮で外相級会合


◎イランの核問題を扱う6日からの国際原子力機関IAEA)定例理事会を前に、英独仏とイランは3日、ウィーン市内で外相級会合を開いた。核兵器開発にもつながるウラン濃縮活動の中止を英独仏が迫ったのに対し、イラン側は継続を主張。双方の立場の違いは大きいままで、土壇場の協議でも進展はなかった。

 イラン側は核交渉責任者、ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長が出席。国内でウラン濃縮を行うとの従来の主張を繰り返したのに対し、英独仏側は「研究開発」を含めた濃縮関連活動の即時停止が交渉再開の前提条件だと主張、話し合いは平行線のまま終わった。

 協議後、記者会見したドストブラジ仏外相は「(イラン側が前向きな行動をとらなければ、)この問題は近く安保理で議論されることになるだろう」と述べた。

 イランはウラン濃縮の合弁事業をめぐるロシアとの交渉を続ける一方、英独仏とも話し合う姿勢を示すことで、IAEA理事会での批判を弱め、国連安保理での経済制裁を含む強制措置に向けた動きを防ぐ狙いがあったとみられる。(朝日)


バグダッド郊外でシーア派労働者が多数殺害される=警察


◎[バグダッド 3日 ロイター] イラクの警察や内務省関係者が3日明らかにしたところによると、同国の首都バグダッド南東のナフラワンで2日夕方、スンニ派とみられる50人以上の武装勢力が、多数のシーア派労働者を殺害した。

 地元政治家は、この攻撃で少なくとも25人が死亡したと証言。シーア派に対する攻撃だとの見方を示した。




イラクで33人死亡、首都は再び車両通行禁止に


イラクでは2日も、バグダッドの市場など各地で爆弾テロや銃撃が相次ぎ、AFP通信によると計33人が死亡した。政府は衝突を封じ込めるため、イスラム教の休日に当たる3日、首都全域で2度目の車両全面通行禁止とした。同様の措置は2月26日にも導入されている。

 2日の爆弾テロは、首都のサドルシティーの市場で起きた。シーア派住民が圧倒的に多い地区で、車爆弾により5人が死亡、8人が負傷した。首都南東部のシーア、スンニ両派が混在する地区の市場でも爆弾テロがあり、女性ばかり計4人が死亡、11人が負傷した。

 またシーア派によるスンニ派モスク襲撃を強く非難していた有力スンニ派政党「イラク合意戦線」のドレイミ代表の護衛が乗った車が首都西部で銃撃され、護衛1人が死亡、4人が負傷した。ドレイミ氏は車内におらず、無事だった。

 一方、イラク駐留米軍のリンチ少将は2日の会見で、中部ファルージャで27日に、イラクアルカイダ機構のザルカウィ幹部と関連がある武装勢力61人を拘束した、と明らかにした。(朝日)


■香田さん殺害自供の男、「計116人の殺害に関与」


イラクを旅行していた香田証生さん(当時24)が04年10月に殺害された事件で、イラク内務省高官は2日、朝日新聞助手の取材に応じ、イラク治安当局に拘束されているフセイン・フェヘミ被告(26)に対する取り調べの内容を語った。高官によると、同被告は香田さんをはじめイラク人市民や警官、兵士ら計116人の殺害に関与したという。

 同高官によると、フェヘミ被告は自らの経歴について、バグダッドの最貧地区で79年生まれたと証言。父はイラク人、母はエジプト人で、仲間内では「エジプト人の息子」と呼ばれていた。住まいは、香田さんの殺害現場に近いシェイクアリ地区だった。

 同被告が属したグループは、指導者の名を取って「サヤド・アルサヤト」と呼ばれた。スンニ派都市ラマディに本拠があるイラクアルカイダ機構と緊密に連携し、その指令で動くことが多かった。活動場所は主にバグダッド。グループはイラク兵や警官のほか多数の市民殺害にかかわり、その大半は同被告が実行者だという。

 バグダッドのバブル・アルムアッザム広場で拉致された時、香田さんは広場にあるイラク軍の記念碑を撮影している途中だったという。グループはモスクの敷地内に香田さんを4日間監禁した後、同機構の指令でその場で殺害したという。




◎【アレンビー橋(ヨルダン川西岸)2日】パレスチナ自治政府アッバス議長は2日、国際テロ組織アルカイダが破壊活動のためヨルダン川西岸とガザ地区に潜入した恐れがあるとして懸念を表明した。アッバス議長はイスラエル中道左派野党・労働党のペレス党首と会談したあとの記者会見で、アルカイダが潜入したとの未確認情報があると述べた。イスラム急進組織ハマスが1月のパレスチナ評議会(議会)選挙で圧勝して以来、イスラエルの長老政治家がアッバス議長と会ったのは初めて。会談はヨルダン川西岸とヨルダンの境界線のアレンビー橋で行われた。(写真はヨルダン川西岸のクフルダンの村を捜索するイスラエル兵士)

アッバス議長は、アルカイダの潜入は非常に深刻な問題であり、パレスチナ自治政府の治安当局が潜入阻止に全力を挙げていると述べた。潜入の情報は3日前にあったという。

イスラエルの対テロ部局の責任者は昨年10月、イスラエル部隊のガザ地区撤退のあと、アルカイダがエジプト領のシナイ半島からガザ地区に侵入したと述べていた。〔AFP=時事〕





アルカイダ、2年前からサウジ・イラクの石油施設破壊を呼びかけ=文書


◎[ドバイ 2日 ロイター] アルカイダが2年前に作成した文書で、サウジアラビアイラクのパイプライン爆破を支持者に呼びかけていたことが分かった。

 文書は、このほどイスラム系ウェブサイトに掲載されたもので、イスラム諸国の生命線である油田への攻撃は回避すべき、とも主張している。

 文書は2005年にサウジで身柄を拘束されたアブドゥルアジズ・エネジ容疑者が作成。「十字軍」と米同盟国に対する攻撃指針を盛り込んでいる。

 文書は、米経済とサウジ王室に打撃を与えるには、原油供給を混乱させることが最も効果的だ、と指摘。サウジの国有製油所、石油パイプライン、イラクの施設が「すべて異端者の手に渡って」おり、「米国や西側諸国のタンカーを含め、異端者が持つ石油利権を標的にすることが許される」と主張している。


■イラン油田の開発再考促す ボルトン国連大使


◎【ニューヨーク1日共同】ボルトン国連大使は1日、ニューヨークの国連本部で共同通信と単独会見し、核問題を抱えるイランはエネルギー資源を日本や中国、インドなどに対する武器として使っており、日本が進めるアザデガン油田開発がイランに利用されているという現実を「考慮しなければならない」と述べ、開発再考を事実上促した。

日本は中東最大級の同油田について、自主開発の「日の丸油田」として来年半ばの生産開始を目指しているが、核問題をめぐる制裁論議が国連安全保障理事会を舞台に本格化すれば、開発中止を求める米国の圧力が強まりそうだ。


■ナイジェリア反政府勢力、人質6人解放 なお3人拘束


◎アフリカ最大の産油国ナイジェリア南部の油田地帯で反政府勢力に米国の石油関連会社社員9人が誘拐され、1日、うち米国人ら6人が無事に解放された。AFP通信によると、解放された社員は、米国、エジプト、タイ、フィリピン国籍で、米英国籍の残り3人はまだ拘束されている。

 社員らは2月18日、油田地帯で石油のパイプライン建設中に、「ニジェールデルタ解放運動」(MEND)とみられる武装勢力に誘拐された。MENDは、油田の開発で地元の環境が汚染されたとして、ロイヤル・ダッチ・シェルに計15億ドル(約1740億円)の支払いなどを求めている。要求が満たされるまで、残り3人を解放しないとしている。(朝日)