■香田さん殺害自供の男、「計116人の殺害に関与」


イラクを旅行していた香田証生さん(当時24)が04年10月に殺害された事件で、イラク内務省高官は2日、朝日新聞助手の取材に応じ、イラク治安当局に拘束されているフセイン・フェヘミ被告(26)に対する取り調べの内容を語った。高官によると、同被告は香田さんをはじめイラク人市民や警官、兵士ら計116人の殺害に関与したという。

 同高官によると、フェヘミ被告は自らの経歴について、バグダッドの最貧地区で79年生まれたと証言。父はイラク人、母はエジプト人で、仲間内では「エジプト人の息子」と呼ばれていた。住まいは、香田さんの殺害現場に近いシェイクアリ地区だった。

 同被告が属したグループは、指導者の名を取って「サヤド・アルサヤト」と呼ばれた。スンニ派都市ラマディに本拠があるイラクアルカイダ機構と緊密に連携し、その指令で動くことが多かった。活動場所は主にバグダッド。グループはイラク兵や警官のほか多数の市民殺害にかかわり、その大半は同被告が実行者だという。

 バグダッドのバブル・アルムアッザム広場で拉致された時、香田さんは広場にあるイラク軍の記念碑を撮影している途中だったという。グループはモスクの敷地内に香田さんを4日間監禁した後、同機構の指令でその場で殺害したという。




◎【アレンビー橋(ヨルダン川西岸)2日】パレスチナ自治政府アッバス議長は2日、国際テロ組織アルカイダが破壊活動のためヨルダン川西岸とガザ地区に潜入した恐れがあるとして懸念を表明した。アッバス議長はイスラエル中道左派野党・労働党のペレス党首と会談したあとの記者会見で、アルカイダが潜入したとの未確認情報があると述べた。イスラム急進組織ハマスが1月のパレスチナ評議会(議会)選挙で圧勝して以来、イスラエルの長老政治家がアッバス議長と会ったのは初めて。会談はヨルダン川西岸とヨルダンの境界線のアレンビー橋で行われた。(写真はヨルダン川西岸のクフルダンの村を捜索するイスラエル兵士)

アッバス議長は、アルカイダの潜入は非常に深刻な問題であり、パレスチナ自治政府の治安当局が潜入阻止に全力を挙げていると述べた。潜入の情報は3日前にあったという。

イスラエルの対テロ部局の責任者は昨年10月、イスラエル部隊のガザ地区撤退のあと、アルカイダがエジプト領のシナイ半島からガザ地区に侵入したと述べていた。〔AFP=時事〕





アルカイダ、2年前からサウジ・イラクの石油施設破壊を呼びかけ=文書


◎[ドバイ 2日 ロイター] アルカイダが2年前に作成した文書で、サウジアラビアイラクのパイプライン爆破を支持者に呼びかけていたことが分かった。

 文書は、このほどイスラム系ウェブサイトに掲載されたもので、イスラム諸国の生命線である油田への攻撃は回避すべき、とも主張している。

 文書は2005年にサウジで身柄を拘束されたアブドゥルアジズ・エネジ容疑者が作成。「十字軍」と米同盟国に対する攻撃指針を盛り込んでいる。

 文書は、米経済とサウジ王室に打撃を与えるには、原油供給を混乱させることが最も効果的だ、と指摘。サウジの国有製油所、石油パイプライン、イラクの施設が「すべて異端者の手に渡って」おり、「米国や西側諸国のタンカーを含め、異端者が持つ石油利権を標的にすることが許される」と主張している。