IAEAのイラン対応は政治的動機が背景=アハマディネジャド大統領


◎[クアラルンプール 3日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は3日、国際原子力機関IAEA)のイランに対する態度には政治的な動機が背景にある、との見方を示した。

 IAEA理事会の開催を前に、英独仏の欧州3カ国はこの日、イラン側の交渉責任者との協議を行う。

 大統領は訪問先のマレーシアでの講演で「残念なことに多くの国際機関は政治的な組織になってしまっており、大国の影響力により、公正かつ法的に正しい判断ができなくなっている」と述べた。

 その上で「IAEAのイランへの対応は政治的動機に基づいている」と非難した。




■イラン、英独仏と平行線 ウラン濃縮で外相級会合


◎イランの核問題を扱う6日からの国際原子力機関IAEA)定例理事会を前に、英独仏とイランは3日、ウィーン市内で外相級会合を開いた。核兵器開発にもつながるウラン濃縮活動の中止を英独仏が迫ったのに対し、イラン側は継続を主張。双方の立場の違いは大きいままで、土壇場の協議でも進展はなかった。

 イラン側は核交渉責任者、ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長が出席。国内でウラン濃縮を行うとの従来の主張を繰り返したのに対し、英独仏側は「研究開発」を含めた濃縮関連活動の即時停止が交渉再開の前提条件だと主張、話し合いは平行線のまま終わった。

 協議後、記者会見したドストブラジ仏外相は「(イラン側が前向きな行動をとらなければ、)この問題は近く安保理で議論されることになるだろう」と述べた。

 イランはウラン濃縮の合弁事業をめぐるロシアとの交渉を続ける一方、英独仏とも話し合う姿勢を示すことで、IAEA理事会での批判を弱め、国連安保理での経済制裁を含む強制措置に向けた動きを防ぐ狙いがあったとみられる。(朝日)