■同時テロのムサウイ被告、死刑可能と評決 米連邦地裁


◎01年の米同時テロ前に米国で逮捕され、同時テロの共謀の罪に問われたモロッコ系フランス人ザカリア・ムサウイ被告(37)に対し、米バージニア州アレクサンドリアの米連邦地裁の陪審は3日、死刑を適用できる、との評決を出した。被告が共謀の罪を認めているため、裁判では死刑か終身刑かを判断する。死刑が適用可能になったことで今後、実際に死刑に値するかどうかの審理に移る。

 「9・11」で米国で起訴されているのはムサウイ被告だけ。これまでの裁判の焦点は、9・11当時すでに逮捕されていた被告に対して犠牲者の死の責任を問えるかどうかだった。被告がテロ計画を知りながら捜査員に隠したため、計画を事前に察知できずに死者が出た、とする検察側主張を陪審は受け入れた。

 被告は当初、自分が9・11とは別に、旅客機を乗っ取りホワイトハウスに突入する計画だった、と主張。しかし、公判ではこれを覆し、自身の計画が9・11の一部だったと証言した。弁護側は、被告のテロ計画が実現可能性の低いものだとし、被告が死刑によって殉教者になることを望んでいる、などと主張した。(朝日)