■インドの予算案、防衛費7%増 経済成長率8.1%目指す


◎インドのチダンバラム財務相は28日、06年度の連邦政府予算案を議会に提出した。歳出総額は前年度比10.9%増の約5兆6400億ルピー(約14兆7770億円)。

 予算説明演説で財務相は、農村部での雇用拡大に1430億ルピー(3750億円)を投入するほか、教育分野予算を前年度比32%増、保健分野予算を同22%増とするなど、引き続き国民の多数を占める貧しい層への配慮を強調した。

 国防費は防衛力の近代化をさらに進める必要があるとして前年度比7%増の約8900億ルピー(約2兆3320億円)を配分した。

 政府が予算案提出に先立って発表した05年度経済調査では、同年度の国内総生産(GDP)成長率は8.1%。新年度の財政赤字のGDP比は今年度よりも0.3ポイント低い3.8%に抑制するとした。(朝日)




米大統領、インドなど歴訪へ 原子力の協力焦点


◎ブッシュ米大統領は1日からインド、パキスタンを訪問する。米大統領の訪印は00年のクリントン氏以来。ブッシュ政権は、経済成長で存在感を増すインドを、世界的な「大国」として認知し、協力関係を深める構えだ。

 ブッシュ大統領は22日、アジア・ソサエティーで演説し、人口約11億人のインドには、米国の人口に匹敵する3億人の中産階級がいると指摘、「インドは米国にとって天性のパートナーだ。インドの成長が米国にも新たな機会を創出している」と語った。

 「自由と民主主義」の伝道を外交の旗印に掲げるブッシュ政権にとって、「世界最大の民主主義国」インドと緊密な関係を結ぶことはもともと理屈にかなった方針だ。

 だが、その障害になってきたのがインドと隣国パキスタンとの緊張関係だ。国家安全保障会議(NSC)前アジア上級部長マイケル・グリーン氏は「03年ごろまでの南アジア外交は、印パという二つの核保有国による戦争を回避する努力に、時間を割かざるを得なかった」と明かす。

 それがここ数年、印パ関係が緊張緩和へ動き出し、米国は対インド、対パキスタン外交を別々の文脈に分けた上で、それぞれ関係改善を進めることが可能になった。

 インドとの協力の焦点は、エネルギー分野、特に昨年の米印首脳会談で原則合意した原子力の平和利用だ。米国はパキスタンとの原子力協力は当面、考えていないと表明しており、対印関係強化が大きく先行する形だ。

 ただ、98年に核実験を強行したインドは、核不拡散条約(NPT)にも加盟しておらず、歯止めがないまま協力すれば、特別扱いとの批判を浴びかねない。そこで米国は、軍事用施設と民生用を分離させ、後者を国際原子力機関IAEA)の査察の下に置いた上で協力する、という形を取ろうとしている。その線引きをめぐり、両国間の交渉が首脳会談直前まで続けられている。

 だが、プルトニウムを大量に生産できる高速増殖炉への国際査察をめぐって、インドは特にかたくなな態度をみせている。このため、インドは対パキスタンだけでなく、対中国を意識し、核軍備増強への道を残そうとしているのでは、とみる専門家もいる。(朝日)




■毛派攻撃25人死亡 インド中部、60人拉致か


◎【ニューデリー28日共同】インド警察当局によると、中部チャッティスガル州ダンテワラで28日、多数の住民を乗せたトラックが地雷で爆破され、25人が死亡、33人が負傷した。ロイター通信は50人が死亡したと報じた。

極左武装組織インド共産党毛沢東主義派による犯行とみられる。PTI通信によると、60人以上が武装グループに拉致されたもよう。

PTI通信によると、トラックは計5台で、計100人以上が乗っており、政府が主催した反毛派の集会に参加して村に帰る途中だった。爆発後、現場に向かっていた警察車両が毛派の発砲を受け、付近で銃撃戦が起きた。

毛派は現在、貧農層を中心に構成され、同国東部から中南部で動きを活発化、地主や対抗勢力の殺害、治安当局への攻撃を繰り返している。