■イラン側とはまだ合意できず=核問題でロシア原子力庁長官


◎【モスクワ27日】イラン核問題をめぐる協議のため同国を訪問したロシアのキリエンコ原子力庁長官(写真)は27日、タス通信とのインタビューで、ロシア国内でのウラン濃縮を軸にした妥協案に関して、まだイラン側と合意に至っていないことを明らかにした。

イラン南部ブシェールで26日に行われたキリエンコ長官との共同記者会見で、イラン側はロシアの妥協案で原則合意したと述べていた。

しかし、キリエンコ長官は「なお幾つかの点について合意が必要だ」と指摘するとともに、完全な合意のために残された時間は少ないと語った。

その一方で、3月6日からの国際原子力機関IAEA)定例理事会までに包括的な合意に達することは可能とも語った。

長官に同行したロシア代表団筋は、今回のイラン側との協議について「半歩前進」と総括した。

ロシアの妥協案は、イランの原発向けのウラン濃縮をロシア国内で行うための合弁企業の設立が骨子。しかし、イラン側はウラン濃縮プロセスを同国内で管理したい意向で、ロシアや欧米の間で懸念が広がっている。〔AFP=時事〕




■イラン外相が来日=核問題を協議へ


◎【東京27日】イランのモッタキ外相が27日、東京に到着した。イランと良好な関係を保っている日本政府は同外相の来日を機に、イランの核危機収拾に動くよう同国を説得する。(写真はイラン南部のブシェールにある原子力発電所

モッタキ外相は27日夜以降、小泉純一郎首相や麻生太郎外相らと会談。モッタキ外相は1995年から99年にかけて駐日大使を務めた。同外相の訪日は昨年8月の就任以来初めて。

一連の会談では、イランの核問題をめぐる同国とロシアの交渉などが取り上げられるとみられる。ロシアは、イランのためのウラン濃縮を同国の外で行うという妥協案を示している。

日本にとって、イランは主要な石油供給源の一つ。イランの核問題では、同国に核計画を放棄させようとする欧米を支持しながらも、イランとの経済関係に影響が出ないよう努力している。〔AFP=時事〕