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◎【ラマラ(パレスチナ自治区)25日】パレスチナ自治政府のアッバス議長は、先の評議会(議会)選挙で大勝したイスラム原理主義組織ハマスがイスラエルとの和平プロセスを妨害した場合、辞任する可能性を示唆した。(写真は、米国務省幹部と会談するパレスチナ自治政府のアッバス議長=右)
米政府は依然、アッバス議長への支持を表明しているが、25日公表されたテレビインタビューの内容によると、議長は「わたしが職務を遂行できない状態に至るかもしれない。そうなれば、わたしは自分の信念にもかかわらず、その信念に反して、この地位にとどまることはないだろう」と語った。
ハマスが和平工作を妨げれば、辞任するのかとの質問に対し、アッバス議長は「議長の座は目標でない。任務を達成し、人々のために何かをやり遂げる手段なのだ」と答えた。
議長は、ハマスが武装闘争路線を放棄するよう望むとしながらも、ハマスの路線修正には時間がかかるだろうと指摘した。〔AFP=時事〕
◎【ラマラ(ヨルダン川西岸)25日】ウェルチ米国務次官補(中東担当)は25日、当地でパレスチナ自治政府のアッバス議長と会談したあとの記者会見で、米国はアッバス議長とその政策を支持すると述べたが、イスラム急進組織ハマスが率いる次期パレスチナ政権についてはそのような姿勢は示さなかった。
ウェルチ氏は、アッバス議長との間であらゆる懸案を話し合い、米国と同議長との関係についても意見を交換したと語るとともに、「アッバス議長に対し、パレスチナ人たちが迎えているこの重大な時期に当たって、米国が同議長と彼の指導力を支持すると伝えた」などと述べた。
しかし、ある記者がハマス次期政権に対して米国がどのような立場をとるかと質問すると、ウェルチ次官補は返答せず、車に向かった。
そのあと自治政府高官が明らかにしたところによると、アッバス議長はウェルチ次官補に対し、米国はパレスチナ人たちの民主主義的な選択を尊重すべきだと述べた。また、米政府がイスラエルに圧力をかけ、最近エスカレートしている軍事行動をやめさせるよう要請した。〔AFP=時事〕