■米の中東民主化は失敗=イラン大統領また吠える


テヘラン19日】イランの保守強硬派指導者、アハマディネジャド大統領(写真)は19日、イラン国営通信とのインタビューで、米政府の中東民主化政策はイスラム原理主義勢力の台頭という逆風に遭っているとこき下ろすとともに、「西欧流の民主主義はごまかしだ」などと語った。

自身も昨年6月に下馬評を覆して当選したアハマディネジャド大統領は、「アメリカの民主主義のスローガンはイラン、イラクレバノンパレスチナでも逆の結果をもたらした。イスラム世界で自由かつ公正な選挙が行われれば、どこでもイスラム勢力が勝利を収める」と主張した。

さらに「パレスチナ評議会選で人々はシオニズムイスラエル)の影のある政治ではなく、抵抗の継続と、占領からの解放を支持した」と称賛、「これは最初の一歩であり、新たな成功が訪れる」と予言した。

このインタビューは、ライス米国務長官の中東歴訪に合わせて行われた。長官は「誰もがイランの(核開発など)攻撃的政策に懸念を抱き、イランとシリア、ヒズボラハマスイスラム聖戦の連携を危惧している」と表明。「イラン政府はテロの『中央銀行』だ」と非難している。〔AFP=時事〕




■イラン核交渉担当者、対露協議前にウラン濃縮を主張


◎【テヘラン=工藤武人】イラン核問題をめぐり、20日にモスクワで始まるイランとロシアの協議のイラン側交渉団長を務めるホセイニタシュ国家安全保障最高会議副書記は19日、「イランの当局者は自分たちの権利を守るという点では引き下がらないと言ってきた」と述べ、自国でのウラン濃縮を主張する意向を示した。
 国営通信などが伝えた。イラン側が改めて非妥協的な姿勢を示したことで、20日の協議で事態が打開される可能性は一層低くなった。

 同副書記は、「ロシアはイランが核燃料サイクルの技術を習得する権利があると理解している」との認識を示した上で、「協議は前提条件付きでは行われない」と語り、濃縮活動の停止には応じられないと強調した。(読売)