◎ 【バンコク=岩田智雄】イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画掲載問題で抗議行動が広がる中、パキスタン南部のサッカルで十九日、群衆がキリスト教の教会二カ所に放火するなど混乱が拡大した。首都イスラマバードでは、当局が一切の集会を禁止、抗議行動の封じ込めを行った。

 現地からの報道によると、サッカルでは、イスラム教の聖典コーランが燃やされたとの話に怒った群衆がキリスト教の二つの教会を燃やし、教会関連の学校も襲撃を受けた。デモ隊はさらに、道路を封鎖しタイヤを燃やすなどした。当局はコーランを燃やしたとされるキリスト教徒一人やデモ隊計約五十人を拘束した。

 サッカルでは連日風刺漫画問題で抗議行動が起きていたが、イスラム教を冒涜(ぼうとく)したとの新たな疑惑がデモ隊を暴徒化させる結果となった。(産経)