イラン人気菓子「デンマルキ」、改名の動き 風刺画問題


イスラム預言者ムハンマドの風刺画問題でデンマークとの通商関係を解消したイランで、「デンマルキ」の名で親しまれてきた菓子を「ムハンマドの花」に改名する動きが広がっている。

 デンマルキは、中にクリームを入れて焼いたパイ風の菓子で、酒が禁じられ、甘味を好むイラン人が毎日のように食べるほか、客のもてなし用として大量に消費されている。デンマルキ屋と看板を出す店もある。

 風刺画騒動でイラン政府がデンマーク製品の禁輸を決めるなど、抗議が続いている。国内で生産されるデンマルキは禁止対象にはならなかったが、信仰心厚いイスラム教徒から抗議やボイコットが起きるのを恐れて改名しているようだ。

 ただ、デンマルキの名は長年イラン人が親しんでいる。イラク戦争時に米国でフレンチフライをフリーダムフライと変えたがその後元に戻ったのと同じ道をたどるのでは、と冷静に動きを眺めるイラン人もいる。(朝日)




イランの核計画は「軍事目的」=仏外相


◎【パリ16日】フランスのドストブラジ外相(写真)は16日、テレビのインタビューで、イランの核開発について、秘密の軍事プロジェクトであると初めて公に断言した。

ドストブラジ外相は「簡単な事だ。イランの核計画は民生用としては説明できない。したがって、秘密の軍事核プロジェクトということだ」と語った。

イランは14日、ウラン濃縮関連活動の再開を確認。同国は民生用の原子力開発だと主張しているが、米国や欧州連合(EU)などは反発し、この問題は国連安保理へ付託された。

ドストブラジ外相は「第1に、国際社会はイランに対し、非常に強いメッセージを送った。根拠を示し、すべての核活動とウラン濃縮を凍結せよ、ということだ。そして、彼らはわれわれの言うことに耳を貸していない」と述べた。〔AFP=時事〕




イラン大統領が濃縮施設を視察、核開発継続の姿勢強調


◎【テヘラン=工藤武人】イランのアフマディネジャド大統領は15日、中部ナタンツのウラン濃縮施設を視察した。国営通信が伝えた。
 イランは同施設で、濃縮作業に着手したばかりで、国際社会に濃縮活動を継続する意思を示す狙いがあるとみられる。

 大統領は、原子力庁のアガザデ長官の案内で、施設内を見て回り、技術者を激励した。

 また、大統領は、濃縮活動再開に激しく反発している米欧を念頭に「彼らはイラン国民が平和的な核技術を獲得するのを恐れている」と言明。「科学の頂点を目指す道は、後戻りできないものだ」と述べ、核開発を継続する姿勢を強調した。




イラン、ベネズエラの核技術開発を支援する用意=国会議長


◎[カラカス 15日 ロイター] イラン国会のハダドアデル議長は、同国が平和目的の核技術開発でベネズエラを支援する用意があると表明した。

 ただ、両国はこの件について何の交渉も行っていないという。

 米国を激しく批判する立場をとるベネズエラチャベス大統領は、イランが核開発を行う権利を支持している。

 同議長は、イランがベネズエラに協力を申し出る可能性はあるのかとの記者団の質問に「これまでのところベネズエラ当局とは何も協議していないが、可能性を検討する意思はある」と語った。

 ベネズエラは昨年、エネルギー確保や医療目的のために核技術を開発することに関心があると表明。しかし専門家らは、ベネズエラがそうした技術を開発するには10年を要する可能性があるとみている。




イラン外相が訪欧へ、外交努力で制裁発動回避を訴え


◎【ブリュッセル=林路郎】欧州議会関係者が明らかにしたところによると、イランのモッタキ外相が20日にブリュッセルを訪れ、欧州議会外交委員会の特別会議に出席することになった。訪欧は、イラン側の提案によるものという。
 イランの核問題が国連安全保障理事会に付託されたことを受け、制裁発動の回避を訴える外交努力の一環と見られる。

 AP通信によると、欧州連合(EU)議長国であるオーストリアのプラスニク外相は14日夜に行ったモッタキ外相との電話協議で、核問題で前向きな対応がない限り、EUとイランとの関係改善はあり得ないとの立場を伝えた。




イランはウラン濃縮再開で国際社会に「公然と反抗」=米国務長官


◎[ワシントン 15日 ロイター] ライス米国務長官は15日、イランは核燃料用のウラン濃縮を再開したことで国際社会に「公然と反抗した」との考えを示した。

 長官は上院外交委員会で、ブッシュ政権は「イランに対するあらゆる種類の制裁」を検討してきているほか、米国が独自に発動できる追加制裁についても検討していると言明。ただ、国際的な行動の方がより効果的、とも述べた。

 長官は同委員会で、イランは「一線を越え、(国際社会に)公然と反抗した」と述べたが、詳細には触れなかった。