■<イラク人収容者虐待、未公開映像 豪テレビが報道


◎オーストラリアのSBSテレビは15日夜の報道番組で、04年4月に発覚したイラクアブグレイブ刑務所での米兵によるイラク人収容者への虐待事件に関連し、これまで公表されていなかった写真や映像を報道した。イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画問題でイスラム教徒の抗議運動が世界各地に広がる中、米国防総省報道官は「報道は火に油を注ぎ、暴力をあおる可能性がある」と懸念を表明した。

 米国防総省関係者はAFP通信に対し、報道された写真のうち14点が、国防総省が入手したものと同一であると認めたという。

 新たに報道されたのは、全裸の男性や、頭に袋をかぶせられベッドに縛り付けられた男性、血まみれの遺体と見られる写真など。収容者が頭を壁に打ち付けている映像や、性的行為を強要されている映像もあった。いずれも、すでに報道されているものと同様03年後半に撮影されたものと見られる。

 番組の制作責任者によると、すでに公開されているものも含めて数百点の写真や映像を入手したが、「中には生々しすぎてテレビで放映できないものもある」という。入手経路は明らかにしていない。同刑務所で暴動が起きた際、鎮圧のためにゴム弾を使い果たした米兵が実弾を使用した疑惑を取材する過程で入手したという。

 SBSの報道を受けて、中東のテレビ局アルジャジーラアルアラビアもこの問題を報じた。(朝日)




反米指導者との関係懸念 米政府、イラク首相続投で


◎ 【ワシントン16日共同】米政府は、イラク新政府での首相続投が事実上決まったジャファリ移行政府首相について、イランやシリアとも密接な関係があるイスラムシーア派の反米指導者サドル師の支持を受けていることに懸念を抱いている。

サドル師は自前の民兵組織「マハディ軍」を持ち、2004年にイラク各地で激しい反米闘争を展開したことで知られる。最近もシリアのアサド大統領と会談し、米国やイスラエルを「共通の敵」と呼んだばかりだ。

米政府は、ジャファリ氏だけで政権の方向性は決まらないと平静を装っている。しかし昨年12月の連邦議会選挙で、米国が議席拡大を期待した世俗派のチャラビ氏やアラウィ氏率いる政党が惨敗し、シーア派の宗教勢力「統一イラク同盟」のジャファリ氏が新政府を率いる結果となったことに警戒を強めそうだ。




路上のバッグに爆弾、登校途中の生徒3人死亡=イラク


◎【バグダッド15日】イラクの首都バグダッド中心部で15日、路上に置いてあったバッグに仕掛けられた爆弾がさく裂し、登校途中の生徒3人が死亡した。(写真は爆発現場近くを恐怖の表情を浮かべて帰宅する女生徒たち)

現場付近を走っていた小型バスの運転手によると、生徒たちが写真屋の前の地面に置かれていたバッグをもてあそんでいる時に爆発が起きた。同運転手は生徒の1人が5メートル吹き飛ばされたのを見たと語った。現場はイスラムスンニ派が多数を占める地区にある。この日バグダッドでは、自動車爆弾テロが3件、銃撃事件もあり、警官6人を含め計13人が死亡した。

一方、北部モスルでは、武装勢力が旧支配政党バース党のメンバー1人を射殺。同地で最近10日間に殺害された旧バース党関係者は4人となった。〔AFP=時事〕