米提供の重水使い核兵器 インド、合意違反で開発か


◎【ワシントン16日共同】インドとの原子力協力を推進するブッシュ米大統領のインド訪問を3月に控え、同国が1970年代前半に米国との合意に反し、平和利用目的で米、カナダから提供された重水炉と重水で製造したプルトニウムを使って核兵器を開発した可能性が高いことが、当時の国務省機密文書から明らかになった。対インド原子力協力に懐疑的な米議会が反発を強めそうだ。

「インドの核実験の可能性」と題した文書は、ニクソン政権時代の72年2月23日、国務省の情報部門から中央情報局(CIA)に送られた。文書のコピーによると、インドが核兵器1−2個を開発した可能性があるとし、使われた核物質が重水炉で製造されたことは「ほぼ確定的」と指摘。




■バレンタインデーは低俗!? 印、「西洋かぶれ」に反発


カップルや商店襲撃相次ぐ

 【シンガポール=藤本欣也】経済成長著しいインドで十四日、ヒンズー至上主義者の団体が「西洋かぶれは許さない。インド文化を守れ」などとバレンタインデーに抗議するデモが相次いだ。カップルへの嫌がらせや、関連商品を扱う商店が襲撃される事件も起きている。ヒンズー教徒に加え、イスラム教徒も同様の抗議活動を行っており、インド社会で急速に進むグローバル化と、それへの反発が台頭しつつある現状を浮き彫りにする格好となった。 


 インドからの報道によると、首都ニューデリーの繁華街、コンノート・プレイスでは、カップルたちが食事をするレストラン前でデモを続けたヒンズー教団体のメンバー約四十人が警察に拘束された。国際的な情報技術(IT)産業都市のバンガロールでも、ヒンズー至上主義者たちがバレンタインデーのハート形をしたカードを燃やす示威活動を繰り広げた。


 インド最大の経済都市、ムンバイでは十二日、ヒンズー至上主義政党、シブ・セナのメンバーらが、バレンタインデーの贈り物を扱う商店を襲撃。同党メンバーらはジャルカンド州でも十四日、街中でデートするカップルを脅したり、写真を撮影したりするなどの嫌がらせを行った。


 抗議しているのはヒンズー教徒だけではない。ジャム・カシミール州のスリナガルでは、イスラム教の女性団体約百人が「低俗なバレンタインデーを追放せよ」とホテルなどでデモを組織した。


 インドでは経済発展とともに数年前から、バレンタインデーに便乗したビジネスが目立つようになり、バレンタインデーを楽しむカップルが増えてきた。とはいえ公衆の面前で手をつないだり、キスをしたりする行為がタブー視されている社会風土に変わりはない。


 また、経済成長が軌道に乗り始めた一九九〇年代後半以降、経済中心主義の社会に対する不満層などを取り込む形で、ヒンズー至上主義団体が勢力を伸長。さらに、インド経済が自由化を進め、外国製品の国内市場への流入が加速する中で、国民の西洋志向化、社会のグローバル化への懸念が宗教勢力や左翼政党の間で再び高まっている。