武装勢力の攻撃相次ぎ27人死亡


■新年のイラク、27人死亡 武装勢力が攻撃


◎【カイロ2日共同】AP通信によると、イラク各地では新年を迎えた1日から2日にかけ、武装勢力による攻撃が相次ぎ、計27人が死亡した。連邦議会選挙を終え政治日程が進んでも、治安が改善しないイラクの現状があらためて浮き彫りになった。
 1日は首都バグダッドなどで、約3時間のうちに計13台の車爆弾攻撃があった。このほか、バグダッド東部で武装集団がイラク人5人を射殺、警官2人を爆殺するなど計11人が死亡した。
 2日には、バグダッド北方で、訓練に向かう新採用の警官を乗せたバスに車爆弾が突っ込み、7人が死亡するなど、各地で計16人が殺害された。トルコ大使の車列も銃撃されたが大使は難を逃れた。




イラク石油相が辞任、政府の燃料価格引き上げに反対


◎[バクダッド 2日 ロイター] イラクのウルーム石油相は2日、辞表を提出したことを明らかにした。
 イラク政府が12月19日に燃料価格引き上げに踏み切ったことを、辞任の理由としている。
 価格引き上げ後間もなく、同相には休暇要請が出されており、以来、チャラビ副首相が石油相を兼任している。
 12月15日に実施された総選挙後、内閣の人事変更が予定されていたことから、同相の辞任による影響は限定的とみられる。
 19日の価格引き上げで、ガソリンとディーゼル油価格は最高200%値上げされた。ウルーム石油相は、値上げが段階的に導入されるべきと主張。一方、政府は、安価のイラク産石油が他国に密輸されることや、イラク国内でのヤミ取引を防止するために必要な手段と説明している。
 イラク北部の主要製油所が治安問題を理由に閉鎖されたことに加え、悪天候によりイラク南部の輸出港から石油の輸出が停止されており、イラクの石油輸出量は2003年半ば以来最低水準となっている。




■TV真似て攻撃宣伝 イラク武装勢力「新番組」


◎【カイロ3日共同】イラク武装勢力「アンサール・スンナ軍」はこのほど、中東の衛星テレビなどのトークショーに似せた形式の「攻撃宣伝番組」を制作し、ウェブサイトで公表した。新規メンバーの獲得や支持拡大が狙いとみられ、武装勢力が広報戦略を重視していることを示している。
 「イスラム戦士の収穫」と題した番組は約30分間。テレビ局のスタジオのようなセットで、キャスター役の男がコメンテーター役と向かい合って進行。中央にはビデオ用モニターが設置され、2人が黒い覆面をしていなければ、本物と見間違うほどの出来だ。
 「スンナ軍の軍事専門家」と紹介された男は、米軍やイラク軍を狙った仕掛け爆弾攻撃の映像を紹介しながら「こうした攻撃は先進技術を持つ米軍を混乱に陥れています。使用している爆弾は、イスラム戦士の手製です」などと解説。「米軍基地内にはわれわれの情報源がおり、必要な情報を提供してくれます」とも主張した。