豚肉市場でテロ、7人死亡(再)


■テロで7人死亡50人超負傷 キリスト教徒狙う?


◎【シンガポール=藤本欣也】インドネシアスラウェシ島中部のパルで三十一日、市場に仕掛けられた爆弾が爆発し、ロイター通信によると、少なくとも七人が死亡、五十三人が負傷した。キリスト教徒が多数居住する地区が狙われていることから、地元警察では、同島で続くイスラム教徒とキリスト教徒との宗教対立に絡んだ爆弾テロとみて調べている。
 現地からの報道によると、爆発は同日早朝、年越しの買い物客でにぎわう市場の豚肉を扱う店で起きた。豚肉はイスラム教徒がタブー視しており、死傷者の大半はキリスト教徒とみられている。
 インドネシアの人口の約90%はイスラム教徒だが、スラウェシ島中部にはキリスト教徒が多く居住し、一九九九年ごろから宗教抗争が激化、これまでに約二千人が死亡したとされる。東南アジアのテロ組織でイスラム過激派のジェマ・イスラミア(JI)の関与も指摘されている。
 インドネシアでは〇五年もテロが相次いだ。五月にはスラウェシ島中部のテンテナの市場で今回同様、宗教対立絡みの爆弾テロがあり、キリスト教徒ら約二十人が死亡。十月にはバリ島のレストランで自爆テロが発生、日本人一人を含む二十人以上が死亡した。
 首謀者とされるJI幹部が逃亡中で、治安当局は年末から年始にかけて特別警戒態勢を敷いていた。(産経)