イスラエルのシャロン首相、公務復帰するも心臓に不安を残す


ベツレヘムにクリスマスの巡礼者集う


◎[ベツレヘムヨルダン川西岸) 25日 ロイター] 停戦中のヨルダン川西岸地区ベツレヘムに25日、過去数年でもっとも多くのキリスト教信者が訪れた。
 パレスチナ自治政府アッバス議長と、イスラエルシャロン首相はそれぞれメッセージを発表し、2006年は和平に尽力すると表明。ローマでは、法王ベネディクト16世がイスラエルの平和のために特別に祈りをささげた。
 バチカン使節のミシェル・サバー総主教は、イスラエルパレスチナが共に来年初めに選挙を迎えることを指摘し、和平の機会が真に訪れるとした上で、「すべての暴力、報復を捨て、政治犯を解放し、過去を葬り去ることで、イスラエル人の安全を確保し、パレスチナ人に自由を与える新しい土地を創ることができる」と語った。
 イエス・キリストの生誕地とされるベツレヘムにはこの日、数千人の巡礼者や観光客が集まった。




シャロンイスラエル首相が公務に復帰、脳卒中から1週間後


◎[エルサレム 25日 ロイター] イスラエルシャロン首相は、軽い脳卒中の発作から1週間を経て、25日に閣議を開き公務に復帰した。首相は20日に退院したが、自宅で療養していた。
 首相は、イスラエルの祝日を前に国民を祝福。かすれた声ながらも、医師団やブッシュ大統領などの知人から食事に気を付けるよう助言を受けたと話し「みなさんには、ドーナツやラートカ(ジャガイモのパンケーキ)を食べてもらいたい。食べても良いが、食べ過ぎないように」と笑いを交えて語った。ジャムドーナツとラートカは、この祝日の伝統的な食べ物。
 首相はまた、国内のキリスト教徒にも祝福を送った。




シャロン首相、心臓治療へ 健康不安さらに強まる


◎【エルサレム26日共同】イスラエル放送によると、シャロン同国首相の医師団は26日、軽い脳卒中で一時入院したばかりの同首相が2、3週間内に心臓のカテーテル治療を行うと発表した。
 心臓内の微小な穴が血栓を誘発し、これが脳卒中の原因とみられることから穴をふさぐ治療を行う。77歳と高齢の首相の健康不安がさらに強まった形だ。
 治療は約30分で終わり、命にかかわる症状ではなく、首相の執務代行を置く予定はないという。心臓内の穴は先天性のもので、首相は入院後、血栓を溶かすための内服薬を服用しており、脳卒中再発の可能性は低いとみられる。