野党党首に禁固刑 「民主化に疑問」米が釈放要求


■野党党首に禁固刑 「民主化に疑問」米が釈放要求


◎ 【カイロ=加納洋人】エジプトの刑事裁判所は二十四日、九月に実施された大統領選挙で二位となった野党、明日党のアイマン・ヌール党首(41)に対し、党設立の際、届け出書類を偽造したとして、禁固五年の実刑判決を言い渡した。
 弁護側は「不当な政治的判決」と非難。米政府も、「民主主義や自由、法の支配を確立していくとするエジプト政府の姿勢に疑問を投げかける判決だ」と批判する声明を発表し、ヌール氏の釈放を求めた。
 ヌール氏は昨年十月の明日党設立の際、政党登録書類に必要な数百人の署名の一部を偽造した罪に問われた。
 同氏は今年一月に逮捕されたが、ムバラク大統領が二月に、同国初の複数候補者による大統領選挙を実施することを表明したため、有力対抗馬となる同氏は三月にいったん釈放され、大統領選挙に挑んだ。
 同選挙で、ヌール氏は約8%の票を獲得し二位につけたものの、ムバラク大統領の得票率約89%には遠く及ばず敗退。今月初め、同氏は再び拘束されていた。
 弁護側は「ヌール党首が、次の大統領選挙で(ムバラク大統領の二男の)ガマール・ムバラク氏と争う姿勢を示したことから、ムバラク政権は嫌がらせのために不当な判決を出したのだ」と批判しており、控訴審で争う構えだ。(産経)