シーア派の「統一イラク同盟(UIA)」がバグダッドで議席の過半数獲得


■議会選で、シーア派与党がバグダッド県で過半数


◎【カイロ=柳沢亨之】イラク独立選挙管理委員会は19日、15日に投票が行われた国民議会(定数275)選挙の中間開票結果を初めて発表した。

 それによると、最大選挙区バグダッド県(59議席、開票率89%)で、移行政府与党のイスラムシーア派最大会派「統一イラク同盟」の得票率が約58%と過半数に上った。

 同県の次点は、初参加のスンニ派政党連合「イラク合意戦線」で約18%。アラウィ元暫定政府首相率いる世俗派「イラク国民リスト」は約13%の3位と苦戦している。

 今年1月の暫定国民議会選では、統一イラク同盟のバグダッド県での得票率は約61%で、今回は微減にとどまっている。イラク国民リスト(当時「イラクリスト」)は暫定議会選は約25%だったが、今回は伸び悩んでいる。

 バグダッド県は、クルド人の牙城(がじょう)の北部、スンニ派主体の中部、シーア派の影響が濃い南部諸県と比べ、各宗派・民族が混住するだけに、イラク全体の趨勢(すうせい)を一定程度示すものとして注目されていた。(読売)




■旧フセイン政権の女性科学者ら釈放 駐留米軍


◎【カイロ高橋宗男】イラク駐留米軍は20日までに、旧フセイン政権で生物兵器開発の中心人物だったとされる女性科学者2人を含む旧政権高官ら二十数人を釈放した。ロイター通信などが、イラク人弁護士の話として伝えた。
 釈放された女性科学者は「細菌博士」の異名をとったリハブ・タハ博士と、「ミセス炭疽(たんそ)菌」と呼ばれたフバ・アマシュ博士。アマシュ博士は03年5月、タハ博士は04年5月に米軍に拘束された。
 ロイター通信によると、女性科学者2人は米軍の調べに対し、旧政権の生物兵器計画への関与は認めたものの、兵器自体は03年3月のイラク戦争開戦のかなり前に廃棄したと供述したという。
 AP通信によると、釈放された旧政権関係者には国連の大量破壊兵器査察問題を管轄したアミン元国家監視局長も含まれる。米軍報道官は同通信に「安全保障上の脅威ではなくなったため」と釈放の理由を説明している。




イラク武装勢力、衛星画像を攻撃に利用か=グーグル社の無料サービス−英紙


◎【ロンドン20日時事】世界的に人気を集めている無料の衛星画像提供サービス「グーグル・アース」をイラク武装勢力が米英軍の基地攻撃などに利用している可能性が指摘され、英下院防衛特別委員会が調査に乗り出すことになった。英紙サンデー・テレグラフがこのほど伝えた。
 同サービスは、米グーグル社が今年から提供を開始。無料のソフトウエアをダウンロードすると、世界の広い範囲にわたって衛星画像を3次元で見ることができる。場所によっては、1つ1つの建物や自動車まで見分けられるほどの高解像度の画像となっている。