ネオコンのウルフォウィッツ氏が「イラク攻撃必要なかった」と発言


フセイン被告が出廷拒否 不在のまま審理再開


◎【カイロ7日共同】多数の住民を虐殺したとして戦争犯罪に問われたサダム・フセインイラク大統領(68)の公判で7日、フセイン被告はアミン裁判長の訴訟指揮などを不服として出廷を拒否し、被告不在のまま審理が再開された。
 法廷筋によると、フセイン被告は同日の開廷前に弁護人との接見を認められなかったことに抗議し、出廷を拒否。開廷が約4時間遅れた。旧フセイン政権の高官ら7被告と、弁護団は出廷した。
 被告不在のまま審理が続けば、国際社会から公平性に疑問が投げかけられている同法廷の在り方が、あらためて問われそうだ。
 この日の公判では、起訴事実となった中部ドジャイルでのイスラムシーア派住民虐殺事件に関し、被害者ら2人が検察側証人として出廷。傍聴人には身元を明かさずに、ドジャイルから治安部隊に連行され拷問を受けた経過などを証言した。公判後、アミン裁判長は総選挙期間に入るため、次回公判を今月21日に開くと述べた。




米大統領が「地域密着の経済復興に重心」とイラク政策演説


◎【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は7日、ワシントン市内のシンクタンクイラク政策の演説を行い、経済復興が「必ずしも期待通りに進んでいない」ことを認めた上で、「大型インフラの整備から地域に密着した“目に見える改善”に政策の重心を移した」と説明した。「イラクでの勝利」戦略に沿った2度目の演説で、復興面に力点が置かれた。
 大統領は演説で「勝利」の定義を「テロリストとサダム派(旧フセイン政権残党)がイラクの民主主義を脅かせなくなる」ことだと指摘。駐留米軍撤退への道筋を示した「イラクでの勝利」戦略の3本柱のうち経済復興について、ナジャフとモスルの2都市の復興経過を説明しながら、「着実な進展」と強調した。
 大統領は一方で、03年春に復興プロセスが始まった後、大型インフラの整備に力点が置かれてきたことを「住民の優先課題にかなっていなかった」と総括。下水溝など住民ニーズの高い小規模事業に多くの復興予算を振り向けるよう方針を変更したことを指摘した。(毎日)




■「イラク攻撃必要なかった」 ウルフォウィッツ氏が発言


◎【ワシントン8日共同】ウルフォウィッツ世界銀行総裁は7日、ワシントン市内で講演し、イラク戦争に関し「イラク大量破壊兵器を絶対に使わないという確証があれば、攻撃せずに反体制勢力を支援するということも考えたかもしれない」と述べ、イラク攻撃が必要なかった可能性に言及した。
 ウルフォウィッツ氏は総裁就任前は国防副長官で、イラク戦争を推進したネオコン新保守主義)の代表格。ブッシュ政権ネオコンは依然、攻撃はやむを得なかったとの立場を取っており、発言は異例だ。
 総裁は前提とした「大量破壊兵器を絶対に使わない確証」について「われわれが現在知っている証拠に基づいて、そのように確信できるかどうかは自信がない」とも指摘した。




バグダッドでバスへの自爆攻撃、30人が死亡=警察当局


◎[バグダッド 8日 ロイター] イラクバグダッドで8日、バスへの自爆攻撃によって30人が死亡、少なくとも18人が負傷した。警察当局が明らかにした。その他の詳しい情報は明らかになっていない。イラク総選挙をちょうど1週間後に控えての出来事。
 バグダッドでは6日、警察学校への自爆攻撃によって少なくとも36人が死亡した。また同日、バクダッドのカフェで爆発が起こり、3人が死亡している。警察当局はこれを自爆攻撃だとしているが、米軍はテーブルに残されていたかばんに爆弾が隠されていたとしている。




■来年末まで陸自駐留を 地元州副知事


◎【サマワ8日共同】陸上自衛隊が駐留するイラク南部ムサンナ州サマワで、同州のリヤド・マジド副知事は8日、日本政府が陸自派遣の1年延長を決めたことを歓迎する意向を表明し「日本の国民と政府に感謝する。少なくとも来年末まで駐留を続けてほしい」と語った。
 ムサンナ州の治安を担当する英軍とオーストラリア軍は来年5月にも撤退すると伝えられているが、副知事は「両国軍が撤退しても、イラク治安部隊が陸自の安全を確保できる」と主張。
 大型火力発電所の建設など「日本の支援事業が進めば、サマワの治安はさらに安定する」と訴えた。