チェチェン議会選、プーチン派(親露派)が勝利


チェチェン議会選投票 紛争火種拡大の様相


◎北カフカス、露政権は危機感
 【モスクワ=内藤泰朗】紛争が続くロシア南部のチェチェン共和国で二十七日、新たに発足する議会の選挙が行われた。プーチン政権は強行策で同共和国の独立派武装勢力を封じ込め、共和国の正常化に躍起だが、北カフカスでは紛争の火種が周辺へと拡大する様相を呈しており、政権の将来に不気味な影を落としている。
 投票は独立派勢力のテロに備え、武装治安部隊ら約二万四千人が警備する物々しい厳戒態勢の下で実施された。二十八日には大勢が判明する見通しだが、ロシアでは選挙結果よりもチェチェン周辺のきな臭い動きに神経をとがらせている。
 「カバルジノ・バルカルは、第二のチェチェン化に向け動く」「ナリチク襲撃事件は、北カフカスとロシアにとって最も危険な歴史的分岐点となった」…。
 南部カバルジノ・バルカル共和国の首都ナリチクで先月中旬、イスラム過激派武装勢力が政府施設や警察、空港などを襲撃した事件についての分析記事を最近報じたロシア各紙の見出しだ。
 それら報道は、二日間にわたり市内が戦場と化し百二十人以上が死亡したナリチク襲撃事件がチェチェン紛争が隣接共和国へ飛び火しさらに拡大する「危険な兆候」であり、北カフカスの「大火災」となればロシアは制御不能に陥る恐れがあると警告している。
 北カフカスでは山村部での失業率は90%に達しており、若い世代の貧困問題が深刻になっている。しかしモスクワはこれら北カフカスの各共和国で、ロシアに従順な姿勢を示す一部部族にのみ資金を与えて優遇し、統治、支配させる政治形態をとる。
 「こうしたやり方は、未来に絶望し、政権への恨みを持つ飢えた若者たちをイスラム過激派の戦士やテロ犯罪者に育ててしまう」。ロシアの専門家たちはこう指摘する。
 チェチェンでは毎週のようにテロが発生、隣接するダゲスタンなど周辺共和国にも波及している。プーチン大統領が最側近の一人、コザク氏を南部連邦管区大統領全権代表として送り込んだことにも、そうした北カフカスへの危機感の強さが浮き彫りになっている。(産経)




プーチン派優勢 チェチェン議会選


◎【モスクワ支局】ロシア南部チェチェン共和国で二十七日投票された議会選挙は、選挙管理委員会の中間集計結果(四百三十選挙区中百二十八選挙区)によると、プーチン露大統領を支持する与党「統一ロシア」が約59%の得票を獲得、共産党や「右派同盟」を大きく引き離して圧勝する勢いを見せている。
 バイハノフ選管委員長はインタファクス通信に、投票率が70%を超える可能性があると述べた。選管によれば、上院(定数一八)と下院(定数四〇)の計五十八議席に対して三百四十五人が立候補。登録有権者は約六十万人だった。(産経)




■<チェチェン選挙>翼賛政党統一ロシア」が勝利


タス通信によると、ロシア南部チェチェン共和国で27日投開票された上下両院選挙について、共和国選管は28日、プーチン政権の翼賛政党統一ロシア」所属候補が投票総数の約60%を得たと述べた。他の党派別得票率は、共産党が13%、右派連合10%など。圧倒的勝利で新議会は親露路線をさらに強めるのは確実だ。(毎日)