被害の拡大する南部地震と核問題


■イラン南部で地震、9人死亡=100人負傷、5村に大きな被害


◎【カイロ27日時事】イラン南部のホルムズ海峡にあるゲシュム島付近で27日午後(日本時間同日夜)、大きな地震が発生、AFP通信が地元当局者の話として伝えたところによれば、少なくとも9人が死亡、約100人が負傷した。同島にある5つの村で、40〜70%程度の建物が破壊されたという。 




■英独仏、イランと核問題をめぐる交渉再開へ


◎[テヘランバルセロナ 27日 ロイター] 英仏独の3カ国は27日、イランの核問題に関して8月に決裂した交渉の再開に向け、イランと協議することで暫定的に合意した。ソラナ欧州連合(EU)共通外交・安全保障上級代表が明らかにした。
 同代表はバルセロナで記者団に対し、「3カ国と私からの書簡が本日午後、イランに送付された。われわれはイランに対し、交渉を開始する共通の土台が十分にあるかどうかを検討するため、対話に応じると伝えた」と述べた。
 あるEUの外交官は、書簡はイランによるウラン転換作業の再開を「大幅な後退だ」と非難したものの、イランがウラン転換作業を完全に中断しない限り長期的協力に向けた交渉は行わない、とした以前のような強硬姿勢は示さなかったと語った。
 この書簡は協議の日程を明記していないが、イラン国営通信(IRNA)はイラン国家安全保障最高会議の発表として、EU3カ国の大使は12月の協議再開に応じたと報じた。 
 同会議のラリジャニ事務局長は今月、欧州3カ国に対して交渉再開を求める書簡を送付していた。
 国際原子力機関IAEA)理事会は24日、ロシアによる妥協案の検討を優先し、イランの核問題を国連安全保障理事会に付託しないことを決定している。




■イラン地震、救援本格化 負傷者100人、再びM5・5


◎【テヘラン28日共同】イラン南部ペルシャ湾岸のケシム島で27日起きた地震で、国営イラン通信によると、同国は緊急対策本部を設置し、被災者への本格的な救援活動に乗り出した。負傷者が約100人に上ったとの報道もある。ケシム市の病院はけが人であふれ、治療もままならない状態という。
 ケシム島付近では同日午後8時40分(日本時間28日午前2時10分)ごろ、再びマグニチュード(M)5・5の地震が起きたが、新たな負傷者などの被害は伝えられていない。
 国営テレビは死者を10人とも8人とも伝えている。一方、国営イラン通信は少なくとも9人が死亡したとしており、情報は錯綜(さくそう)している。
 地震で壊れた別の病院では、少なくとも30人が中庭で治療を受け、うち15人が対岸の主要港湾都市バンダルアバスに搬送された。