米兵死者、公式にも2000人突破


イラク米兵死者、公式集計も2千人突破…政権に打撃


◎【ワシントン=五十嵐文】2003年3月のイラク戦争開戦以来の米兵死者数が、2000人を突破した。イラクでの犠牲増加は、側近の不祥事や最高裁判事の指名撤回で揺れるブッシュ米政権の「内憂外患」に拍車をかけそうだ。

 国防総省の公式集計では28日朝(日本時間28日夜)現在、2004人。CNNテレビをはじめ米メディアは今月24日以降、すでに独自集計で「2000人突破」と報じている。

 これに合わせ、26日には首都ワシントンのホワイトハウス前での反戦集会に、「反戦の母」として反戦運動の象徴的な存在となったシンディ・シーハンさんらが参加したのをはじめ、全米各地で抗議活動が行われた。民主党のケリー上院議員は、こうした機運の中で「年内に2万人、15か月以内に大部分の米兵を撤収すべきだ」と提案した。

 大統領は、早期撤退論の打ち消しに躍起だ。24日以降、2度にわたりテロとの戦いをテーマに演説し、イラク憲法承認など政治プロセスの進展を強調。「自由を広め、平和の礎を築く使命を全うすることが、犠牲者に報いる最善策」と駐留継続の必要性を訴えている。

 だが、治安状況はむしろ悪化の様相を見せている。2003年3月の開戦以後、死者が1000人に到達した04年9月まで18か月だったが、2000人までは14か月。今年7月以降、殺傷力の高い改良型爆弾が多用され、複数の米兵が犠牲になるケースが増えたためだ。米軍が武装勢力をいったん制圧した地域でも、再び米兵が死傷するケースが目立つ。

 さらに、えん戦気分に影響を与えているのが、正規軍以外の州兵・予備役の犠牲者が増えていること。ニューヨーク・タイムズ紙の分析によると、州兵・予備役が全体の死者に占める割合は、1000人までの18%から31%に拡大した。イラクに2度以上派遣される部隊も増えている。(読売)




イラク総選挙、立候補受付を締め切り


◎ [バグダッド 28日 ロイター] イラク選挙管理委員会は28日、12月15日投票の次期総選挙の立候補受け付けを締め切った。
 選管によると、先月の初回登録では334の政党・個人が立候補を届け出ており、この日は、立候補の撤回や政党の合流を申請する最後の機会。選管事務所は候補者であふれかえった。
 総選挙は、イラクの複雑な宗教・民族構成を背景に、事実上、少数の政治連合間の戦いになるとみられている。
 候補者名簿の確定には今後数日かかる可能性があるが、選管によると、イスラムシーア派の18政党からなる「統一イラク同盟」、スンニ派の政治連合、クルド系2政党の政治連合などが立候補を届け出た。