CIA身元漏えい事件のリビー被告、イラク開戦を主導の過去
■<CIA身元漏えい>イラク開戦を主導したリビー被告
◎【ワシントン及川正也】リビー副大統領首席補佐官は、イラク戦争開戦を主導したブッシュ政権ネオコン(新保守主義派)の実力者だ。イラクの大量破壊兵器保有を開戦の根拠として強調したグループの中核的存在でもある。
先制攻撃論を柱とする「ブッシュ・ドクトリン」は92年、ブッシュ(父)政権のチェイニー国防長官の下、ウルフォウィッツ国防次官と、その首席補佐官だったリビー氏らが立案した国防総省防衛計画指針が原形とされる。
リビー氏は名門エール大学在学中、政治学教授で後にネオコンの筆頭格となるウルフォウィッツ氏と知り合う。コロンビア大法科大学院で法学博士号を取得後、弁護士となったが、レーガン政権の国務省、父ブッシュ政権の国防総省で、ともにウルフォウィッツ氏の下で働き、チェイニー国防長官の知遇を得て現ブッシュ政権でホワイトハウス入りした。
ブッシュ政権はイラク開戦前、国連安保理を通じてイラクの脅威を国際社会に訴える戦術に出た。その際、イラクの大量破壊兵器保有やアルカイダとのつながりを開戦の根拠とする理論構築のとりまとめを担ったのがリビー氏だった。
日中戦争、日露戦争の研究も手がけ、1903年当時の日本を舞台とする小説も出版した、ワシントンでは異色の知日派でもある。(毎日)