インドが新たな支援を申し出


■印、2500万ドル支援表明 パキスタン地震


◎【イスラマバード27日共同】インド外務省報道官は27日に記者会見し、ジュネーブで26日開かれたパキスタン地震支援国会議で、インド政府がパキスタンに対する2500万ドル(約29億円)の復興支援を表明したことを明らかにした。
 報道官によると、支援は被災者の治療や住宅再建、インフラ整備などが目的。インドは今回の地震で既に人道支援物資を提供しているほか、パキスタンと領有権を争うカシミール地方で電話回線を15年ぶりに復活させた。地震救援をめぐり両国の交流が進んでいる。パキスタン外務省報道官は共同通信に対し「インドを含めた各国の支援に勇気づけられている」と述べ、支援を歓迎する意向を示した。
 両国政府はまた、実効支配線(停戦ライン)で分断状態にあるカシミール地方の双方住民が相互に協力した救援活動の実現などに向け、イスラマバードで29日に協議を開く。




■人力「ロープウエー」が大活躍


◎【サワン(パキスタン北東部アザド・カシミール州)で竹之内満】パキスタン地震で大きな被害を受けたアザド・カシミール州の州都ムザファラバードから東方約40キロの村サワン。村を貫くジーラム川沿いは各所で橋が崩落、救援物資の陸路輸送が困難になり、古くからある人力の「ロープウエー」が大活躍だ。約140メートルの対岸に物資を届ける貴重な戦力となっている。
 ロープウエーは約80センチ四方の金属製かごを滑車でつるし、両手でロープを引く単純な仕組み。15年前に村民たちの共同出資で設置した。
 川面まで50メートル弱という高さだが、住民は食料やテント、建築資材などを器用に積み、2分程度で渡る。現在1日に250回前後往復する。管理者のモハマド・フセインさん(57)は「寝る間もないほど忙しいが、少しでも村人の役に立ててうれしい」と笑顔をみせた。(毎日)