大統領が「イスラエル抹消」発言が波紋


アハマディネジャド大統領がイスラエルを「地図から抹消」発言


イラン大統領が26日、イスラエルを「(地図上の)恥ずべきシミ」と表現、「地図から抹消される」と発言し、国際社会の反発を招いている。イランはデモなどでも「イスラエルに死を」とのスローガンが一般的に使われているが、大統領自身がこれほど直接的に表現するのは異例で、国内からも戸惑いの声が上がっている。(毎日)(photo:2005年 ロイター/Raheb Homavandi)




イスラエル首相、イランの国連追放を主張=外相は各国に具体策要請


◎ 【エルサレム27日時事】イスラエルシャロン首相は27日、イランのアハマディネジャド大統領がイスラエルを「地図から消し去るべきだ」と呼び掛けたことについて、「他の人々の破滅を呼び掛けるような国が国連加盟国にとどまることはできない」と述べ、イランを国連から追放すべきだと主張した。
 シャロン首相はロシアのラブロフ外相との会談で、「このような国が核兵器保有することはイスラエルや中東だけでなく、欧州にとっても危険だ」と指摘し、イランの核開発疑惑への対応を強化するよう求めた。
 一方、シャローム外相は各国外相に書簡を送り、アハマディネジャド大統領の発言に対して具体的な行動を起こすよう呼び掛けた。またイスラエル外務省は、イラン問題で各国に対する圧力を強めるよう在外公館に指示した。 




■EU首脳、イラン大統領イスラエルめぐる発言に非難の声明


◎[ロンドン 27日 ロイター] 欧州連合(EU)の首脳は、「イスラエルは地図から抹消されるべき」と発言したイランのアハマディネジャド大統領を非難し、国際社会に属するいかなる国もそのような要求をしてはならないと表明した。
 ロンドン郊外で行われた首脳会議は声明で「EU首脳は、イランのアハマディネジャド大統領のイスラエルに関する発言を、最も強い表現で非難する。暴力や国家の破壊を求める要求は明らかに、国際社会の成熟した責任あるメンバーの主張にそぐわない。このような発言は、(中東)地域におけるイランの役割、今後の同国の方針に懸念をもたらすものだ」と表明した。
 イランは、パレスチナの大儀を支持し、イスラエルの承認を公式に拒否している。




イスラエル抹消発言 欧州、ロシアも批判


イラン大統領イスラエルを「地図から抹消される」発言については、欧州からも強い反発が出ている。EUは27日、非難声明を発表。欧州各国もイラン大使館の責任者を呼び、発言の真意をただした。ロシアのラブロフ外相も、訪問先のヨルダンで「容認できない発言。イランの核問題解決のためにならない」と批判した。(毎日)




■英首相、イランへの態度硬化=武力行使の可能性示唆


◎【ロンドン28日時事】イランのアハマディネジャド大統領がイスラエルを「地図から消し去るべきだ」と発言した問題で、ブレア英首相が態度を硬化させている。
 27日の記者会見では、武力行使の可能性を示唆したとも受け取れる厳しい表現でイランを非難。核交渉を独仏と共に主導する立場から、これまでイランには慎重な姿勢を通してきた英政府だが、「堪忍袋の緒が切れた」(タイムズ紙)形だ。