タイでイスラム武装集団が69ヶ所同時襲撃。6人死亡


イスラム武装集団、69か所同時襲撃6人死亡…タイ 


◎【バンコク=吉形祐司】イスラム過激派が分離独立を目指すタイ南部のヤラ、ナラティワート、パッターニの3県で26日夜、武装集団が民家など69か所を同時襲撃、自動小銃や短銃など89丁を強奪し、一般住民を含む6人が死亡した。

 タイ南部では昨年1月以降、住民殺害や爆弾テロなどが頻発。政府は今年7月、南部3県を非常事態地域に指定し、タクシン首相自ら指揮をとる対策に乗り出したが、混乱は深まっている。

 国軍などによると、死亡したのは地域指導者5人と襲撃者1人。強奪された武器は自衛用に政府が住民に提供していた。昨年からの死者は1000人を超えた。

 一方、27日午後には、ナラティワート県の鉄道に仕掛けられた爆弾が列車の通過直前に爆発、乗客の女性が重傷を負った。

 大半がイスラム教徒のタイ南部では、爆弾テロや仏教徒を狙った銃撃事件が激化。昨年4月には、南部で同時襲撃を試みたイスラム系住民106人を国軍が殺害。10月には、デモに参加したイスラム系住民85人が軍に殺害され、うち78人は連行中に窒息死したことが発覚し、人権問題に発展した。このため、政府は国際的批判と治安維持の板挟みに陥っている。(読売)