ビンラディン、10年前に英亡命を模索か


◎【ロンドン29日】29日付の英紙タイムズは、西側との対決姿勢を鮮明にしているテロ組織アルカイダの指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者が10年前に、英国亡命を模索していたと報じた。

同紙が当時内相だったハワード保守党党首の話として伝えたところによると、ビンラディン容疑者は1995年、拠点としていたスーダンを離れることを望み、ロンドン在住の部下に対し、英国に移ることが可能かどうかを探るよう指示した。同容疑者の親族は当時、ロンドンに資産を持っていたという。

ビンラディン容疑者は西側にはほとんど知られておらず、ハワード氏も「よく知らなかった」と振り返った。同氏によると、ビンラディン容疑者は英国への移住に強い関心を持ち、真剣に検討していたとみられる。

しかし、内務省職員がビンラディン容疑者について調べた末、ハワード氏が移民法を基に、受け入れ禁止命令を出したため、亡命申請は提出されなかった。ハワード氏は「彼がここに来ていたら、歴史はどのように書き換えられていただろうか」と語った。

一部では、ビンラディン容疑者が10代のころ、家族とともに欧州を回り、サッカー・イングランドプレミアリーグの強豪アーセナルのファンでもあると伝えられているが、これを裏付ける具体的な証拠はない。〔AFP=時事〕