アルメニアとの戦争辞さず?=アゼル大統領が強硬発言


◎【バノフシャラ(アゼルバイジャン)1日】アゼルバイジャンのアリエフ大統領は1日、同国内にありながらアルメニア系住民が多数を占めるナゴルノカラバフの地位をめぐる隣国アルメニアとの交渉は「行き詰まった」と述べるとともに、アルメニアとの戦争も辞さない考えを示唆した。ナゴルノカラバフのアゼルバイジャン側支配地域を訪れた際に語った。(写真は2月にパリのエリゼ宮シラク仏大統領と握手するアリエフ大統領=左=)

アゼルバイジャンアルメニア両国はシラク仏大統領らの仲介により先月フランスで、18年間も続くこの問題の解決を目指して協議したが、成果はなかった。アリエフ大統領はこれについて、「アルメニア側の責任だ」と非難するとともに、「われわれは被害者であり、どんな手段を使ってでも問題を解決する権利がある」「いかなる事態への備えもできるほど軍事支出は拡大している」「われわれは地域の強国になりつつあり、アルメニアはわれわれと競うことはできない」などと語った。ただ、アルメニアとの全面戦争を呼び掛けるには至らなかった。

両国はかつて、ナゴルノカラバフをめぐり6年間戦火を交え、死者約2万5000人、避難民数十万人を出した。1994年に停戦が成立し、アルメニア側が同地の大半と周辺地域を支配下に置いたものの、ナゴルノカラバフの地位問題は未解決となっている。〔AFP=時事〕