■マ航空の赤字幅拡大、業績悪化一段と


◎マレーシア航空(MAS)は27日に発表した2005年10-12月期(年度第3四半期)決算で6億1,643万リンギの純損失を計上し、前年同期の5,762万リンギの純利益から赤字転落した。売上高は前年同期比4.5%増の31億7,492万リンギ。これで05年4-12月期の赤字幅は12億6,479万リンギに拡大した。
MASは第1四半期に2億8,070万リンギ、第2四半期に3億6,770万リンギの赤字を計上してきたが、ここにきて業績悪化が一気に加速。通期の損失見通し12億リンギを第3四半期目で突破することになった。
MASは燃料コストの上昇や売上債権にからむ引当金の積み増しなどを赤字拡大の要因に挙げたほか、今後の見通しについても、航空需要の成長を見込む一方、現行水準の燃油サーチャージが需要の抑制要因として働く可能性に言及している。
05年は燃料価格の高騰を受け、度重なるサーチャージの引き上げを実施。今年に入っても2月に一段の引き上げを行ったほか、航空保険料の値上げや発券手数料の新規上乗せなどを導入した。現在実施中の割引販売フェアについても、代理店からは一部路線について、「サーチャージの引き上げで割安感が相殺され、販売が難しい」と、MASに対し不満の声が上がっている。
なお、MASは27日に懸案の再建計画を発表する予定(同日6時半の段階では未発表)。インドや南米便を中心とする不採算国際路線の廃止・縮小、国内線の合理化、スタッフの削減、機体交換による燃費の改善、新たな燃料政策の実施、提携を通じた競争力強化、資産売却による財務改善などが柱になるとみられている。MASのスタッフ数はシンガポール航空の1万4,000人、キャセイ航空の1万5,000人に対し2万1,000人に上り、人員過剰が指摘されている。(NNA)