■露原子力庁長官、イラン南部に建設中の原発を視察


◎【ブシェール(イラン南部)=工藤武人】イランを訪問中のキリエンコ露原子力庁長官は26日、露の協力でイラン南部ブシェールに建設中の同国初の原子力発電所を視察した。
 視察には、イラン原子力庁のアガザデ長官も同行しており、ウラン濃縮を露で行うという露提案についても引き続き協議していると見られる。

 イラン国営通信によると、25日にテヘランで行われた両国の協議では、年内の運転開始を目指すブシェール原発の稼働を急ぐことを確認。露側はイランが南西部フゼスタン州に建設を計画している2基目の原発建設への参画にも意欲を示したという。

 一方、イラン学生通信によると、イラン外務省のアセフィ報道官は26日の記者会見で、露との協議は「将来も続くことになる」と述べた。3月6日の国際原子力機関IAEA)理事会までに露提案をめぐるイランと露の協議が合意に達するのは難しいとの見通しを示したものといえる。

 また、同報道官は、「イランは研究活動を停止しない」とも語り、現在行っている小規模の濃縮活動を継続する姿勢を強調した。(読売)