■女性が誘惑し誘拐、アブグレイブ虐待まねて死なす 仏


◎ 若い女性に青年を誘惑させ拉致し、米兵によるイラク人虐待をまねたとみられる拷問を加えて死なせる誘拐事件がフランスで起き、衝撃を与えている。

 捜査当局は17日、ギャンググループ13人(17〜32歳)をパリ郊外などで逮捕。リーダー格の男性(26)を指名手配した。

 調べによると、1月21日にパリ郊外の携帯電話店に金髪女性が訪れて店員のイラン・アリミさん(26)をデートに誘い出し、グループがアパートの一室に監禁。アリミさんの家族に身代金45万ユーロ(約6300万円)を要求していたという。

 アリミさんは今月13日に発見されたが、全身に傷ややけどがあり、まもなく死亡した。捜査幹部は記者会見で、頭から袋をかぶせられ裸で拷問を受けていたことを明らかにしたうえで、「かつて見た光景だ」と述べ、イラクアブグレイブ刑務所での虐待をまねた犯行との見方を示した。

 若い女性が男性を誘惑する誘拐未遂がほかに6件起きていたことも判明。アリミさんを含め被害者にユダヤ系が多いという。捜査当局は「反ユダヤ主義が動機である証拠はない」としている。(朝日)