元副大統領がアサド政権転覆呼びかけ

■アサド政権転覆呼び掛け 元シリア副大統領

◎【カイロ7日共同】シリアのハダム元副大統領は6日付のアラブ紙アッシャルク・アルアウサトのインタビューで、「この体制は変革しようがなく、追い出すしかない」と主張、アサド大統領が率いる現体制の転覆を呼び掛けた。
 元高官が政権打倒を目指し、積極的に反体制活動に関与する姿勢を鮮明にしたことで、アサド大統領はますます苦しい立場に追い込まれそうだ。
 ハダム氏は「シリアの人々が政権を転覆する環境をつくろうとしている」と述べ、国内の反体制派と連携する考えを示した。また「わたしは国を救う政治的な計画を持っているが、大統領になる計画はない」と強調。一方で「変化は内部から来なければならない」と語り、外国の干渉は拒否した。


■「脅迫」証言を全面否定 アサド大統領が反論

◎【カイロ7日共同】シリアのアサド大統領は、9日付エジプト週刊紙オスボアとのインタビューで、昨年2月のハリリ元レバノン首相暗殺事件前に大統領がハリリ氏を脅迫していたとするハダム元副大統領の証言を全面否定した。
 元副大統領が昨年12月に証言して以来、大統領自身の反論が伝えられたのは初めて。
 大統領は「そのようなこと(脅迫)はなかった」と主張。「ハリリ氏とわたしとの最後の会談には誰も同席しなかった」として、元副大統領の証言は信用できないとの考えを示した。
 暗殺事件を調べている国連独立調査委員会が聴取に応じるよう大統領に要請していることについては「大統領は国際的に免責特権を持っている」と述べ、聴取を拒否する姿勢を示唆した。


■シリア元副大統領から聴取 国連調査委

◎【ブリュッセル7日共同】レバノンのハリリ元首相暗殺事件を調べている国連独立調査委員会は6日、シリアのアサド大統領がハリリ氏を脅迫していたと昨年末に発言したパリ滞在中のハダム・シリア元副大統領から事情聴取した。フランス公共ラジオが7日報じた
 元副大統領は聴取を認めたが、内容は一切明らかにしなかった。
 ハダム氏は7日放送のフランスの民間ラジオとのインタビューで、アサド大統領の「脅迫」について「大統領はハリリ氏を呼び出し、治安担当の高官らの面前で、同氏の行動はシリアに敵対的だと批判した。さらに、私の決定に逆らう者は粛清される、と語った」と述べた。