機動隊のアチェ撤退遅れる

■機動隊のアチェ撤退遅れる 船遅れ足止め、病人も

◎【ジャカルタ5日共同】スマトラ沖地震津波被災をきっかけに、約30年間続いた独立紛争が平和解決に向かっているインドネシアアチェ州で、和平合意で昨年末が期限とされた機動隊の撤退が遅れている。
 国家警察が人員輸送用の船の手配に手間取ったためで、昨年末から機動隊員約2000人が被災地の港に足止めされ、体調を崩し寝込む隊員も出ている。独立派「自由アチェ運動(GAM)」側は「4月の選挙をはじめ、合意した日程を政府が守るか不安だ」として、3月で終わる欧州連合(EU)などの和平監視団の任期延長を要請している。
 GAMは和平合意に沿って昨年12月27日に武装組織を解散。これを受け、国軍は派遣部隊全員を同月29日に引き揚げた。
 国家警察も同月31日、撤退する機動隊員を同州ロクスマウェの港に集め、和平監視団とともに撤退式典を開催。しかし出発は新年にずれ込み、機動隊員は港で寝泊まりしている。