フランスでホームレスに豚肉食を配給。イスラム・ユダヤ差別と反発の声


■仏でホームレスに豚肉食 イスラム排除の極右に非難


◎【パリ27日共同】フランス南部ニースで極右団体がホームレスに配る給食に豚肉を使用したことから、戒律上、豚肉を食べられないイスラム教徒やユダヤ教徒を配給から締め出すのが目的だと非難されている。
 ニースからの報道によると、非難されているのは極右の小組織「アイデンティティー連合」と関係が深い「連帯」という団体。約1カ月前から週に1度の割合で豚肉入りスープを配っているが、ニースには貧しいイスラム教徒も少なくない。
 地元支援団体などは、豚肉入りスープの配給は、外国人を排除する行為で許されないと批判。「公共の場所での差別行為なのだから、国や自治体が対処すべきだ」と訴えている。
 一方の連帯代表は「どうして豚肉を使ってはいけないのか分からない。豚肉はわが国の代表的な食材だ」と反論。「誰も排除しようとなんかしていない。イスラム教徒がやってくれば、ごちそうする」としている。




■仏極右団体がホームレスに豚肉スープ、移民排斥狙う?


◎【パリ=島崎雅夫】フランス南部ニースの極右団体がホームレスの人々のために豚肉入りスープを配給したところ、宗教上、豚肉を食べることを禁じられたイスラム教徒やユダヤ教徒を締め出す行為だとして人権団体などが猛反発している。

 この極右団体は白人のフランス人優先主義を掲げる「連帯」。約1か月前から週1回、「愛国者のスープ」と名付けたスープをホームレスらに配給し始めたが、人権団体やカトリック教会は豚肉をスープに入れたのはイスラム教徒らの移民を排除するのが狙いで、「人種差別にあたる」と反発。同教会は独自に野菜スープの配給を開始した。

 連帯のレスキュール代表は「フランス料理で代表的な食材の豚肉を使用して、なぜ、いけないのか」と語り、真っ向から対決する姿勢を鮮明にしている。

 フランスに居住するイスラム教徒は欧州最大の約500万人。宗教上の慣習の違いなどからイスラム教徒ら移民の排斥を訴える極右・国民戦線(ルペン党首)が一定勢力を維持している。(読売)