議会選開票途中経過。シーア派の優位は動かず
■議会選、バグダッドでの途中経過
・ジャアファリ首相。ムクタダ・サドル師派も合流
・アラウィ氏
・チャラビー副首相
(各種記事を参考に再構成)
◎【カイロ=長谷川由紀】イラク独立選挙管理委員会は20日、国民議会(定数275、任期4年)選の全18県の中間開票結果を初めて発表した。
移行政府与党のイスラム教シーア派最大会派「統一イラク同盟」が推計得票率43・7%で首位。初参加のスンニ派政党連合「イラク合意戦線」は、同派の地盤を中心に着実に得票して、クルド人勢力に次いで3位につける勢いだ。
開票率は中部アンバル県(52・2%)を除いて80〜99%。統一イラク同盟は、影響力の強い南部で8割前後を得票したほか、大票田バグダッドでもスンニ派、世俗派を抑えて圧倒的な強さを見せている。
イラク合意戦線は、スンニ派の牙城(がじょう)とされるアンバル県で7割以上を得票、ニネベ、ディヤラ、サラハッディンなどでも首位に立ち、得票率は全国で13・9%。同国北部を中心に20・6%を得たクルド人勢力「クルド同盟」に次いで善戦している。(読売)
◎[バグダッド 20日 ロイター] 15日のイラク国民議会選挙でシーア派が引き続き優勢で、議会で絶対多数を維持する可能性が出てきたことから、国内のスンニ派勢力から不満が出始めている
選挙は武装勢力が非公式に停戦したことで投票率は高かったが、武装勢力の拠点ラマディでは選挙後最悪の衝突が起きたほか、スンニ派が新議会をボイコットすると警告するなど、投票直後の楽観的な雰囲気にも陰りが出始めている。
しかし、選挙管理委員会は、一部スンニ派が選挙無効などを求める声が出ていることについて、敗者の文句に過ぎないと退けている。
選管当局者は、問題があることは認めたが選挙結果に大きく影響することはないとしている。
◎【カイロ=柳沢亨之】バグダッド北郊のドゥジャイル村で1982年、イスラム教シーア派住民を大量虐殺した罪に問われているイラク元大統領サダム・フセイン(68)らに対する第6回公判が21日、バグダッドのイラク高等法廷で行われた。
「裁判の不正義」を理由に前回公判を欠席したフセインも出廷した。
フセインは以前、証人らを遮って発言することが目立ったが、21日は静かにメモを取り、妨害を控えた。この日は検察側証人の男性(37)が顔を出したまま証言台に立ち、虐殺事件後の同村での尋問でバルザン・イブラヒム被告(フセインの異父弟で当時情報機関トップ)に蹴られ、「生きるに値しない」と脅された、と証言した。(読売)
■「サダムとは誰だ」 フセイン裁判が再開
◎【カイロ21日共同】住民虐殺などで戦争犯罪に問われたサダム・フセイン元イラク大統領(68)ら8被告の公判が21日、バグダッドの高等法廷で再開された。前回7日の公判は出廷を拒否したフセイン被告は今回出廷、自分を「サダム」と呼び捨てにした証人に食ってかかるなど、変わらぬ強気姿勢を見せた。
公判では前回に引き続き、中部ドジャイルで1982年7月に起きたイスラム教シーア派住民の虐殺事件をめぐり、検察側証人が政権の拷問の様子などを証言した。
AP通信によると、証言の冒頭で証人がフセイン被告を呼び捨てにしたことに対し、同被告が「サダムとは誰だ」と声を上げる場面があった。同被告はこれまで自らを現職大統領と主張しており、敬意を払うよう求めたとみられる。テレビ映像ではこの部分の同被告の音声は消された。
◎【カイロ21日時事】イラクの独立選挙管理委員会は21日の記者会見で、15日に投票が実施された国民議会選挙の暫定的な投票率は69.97%だったと発表した。
1089万3413人が投票したという。有権者は約1557万人とされていた。今回の投票率は、今年1月の暫定国民議会選の58%や、10月に行われた憲法草案の是非を問う国民投票の64%をいずれも上回った。