ブッシュ大統領、イラク総選挙を評価


イラク国民議会選 米大統領「画期的」と評価


◎ブッシュ米大統領は15日、イラクの国民議会選挙が大きな混乱もなく終了したことについて、「民主化に向けた画期的な出来事だ」と高く評価した。ホワイトハウスに、米国内で投票した在米イラク人を招いた席で語った。1月の総選挙をボイコットしたイスラムスンニ派勢力も参加したことで、高い投票率が見込まれることに関しては、「イラク市民の勇気に祝意を表したい」と語った。さらに、今回の選挙は、イランやシリアなどに対する「よい見本になる」と述べ、中東諸国に与える影響の大きさを指摘した。(ワシントン 有元隆志)(産経)




■来年2月に再び13万人台に イラク駐留米軍で司令官


◎【ワシントン16日共同】イラク駐留多国籍軍のケーシー司令官は16日の記者会見で、連邦議会選挙が比較的平穏に実施されたことを受けて、米軍の規模を現在の15万5000人規模から、来年2月初めまでに13万8000人程度に戻すとの見通しを明らかにした。会見はイラクから米国防総省に中継された。
 しかし司令官は2月以降の具体的な削減の見通しについては触れず、米国内で早期撤退と日程設定を求める声がさらに高まりそうだ。
 司令官は選挙後のイラク情勢を分析し、ラムズフェルド国防長官らに軍の態勢について近く提案する考えも示した。
 また選挙に絡んでイラク南部のイスラムシーア派に対し、イランから支援が行われたと指摘。選挙後の正統政府発足に向けて、イランが影響力を行使することに強い懸念を示した。




■19日に国民向け演説 イラク政策で米大統領


◎【ワシントン16日共同】米ホワイトハウスは16日、ブッシュ大統領が18日午後9時(日本時間19日午前11時)からイラク政策に関する国民向け演説をホワイトハウスの大統領執務室で行うことを明らかにした。米メディアによると、執務室からの国民向け演説は2003年3月、イラク戦争開戦時に行って以来。
 15日の総選挙を受けて、民主化への重要段階に入ったイラクでの米国の任務が中心テーマになる見通し。1月の国民議会選挙をボイコットしたイスラムスンニ派の参加で高投票率を記録した今回の総選挙が成功裏に終わったことを誇示し、国民にイラク政策への支持と忍耐をあらためて呼び掛けるとみられる。




イラク開戦「正しい決断」 米大統領


◎【ワシントン16日共同】ブッシュ米大統領は16日、イラク戦争の開戦判断を下すまで「数カ月間、苦悶(くもん)したが、正しい決断だった」と述べ、開戦の大義に掲げた大量破壊兵器は見つからなかったものの、戦争開始に間違いはなかったとの考えを示した。米公共放送(PBS)とのインタビューで語った。
 大統領は14日のイラク政策に関する演説で、イラク戦争前の大量破壊兵器情報の多くは「誤りだった」と認め、開戦決定について「大統領として責任がある」と初めて言及したが、この日の発言は政策遂行上の非を認めたものではないことを確認した。




イラク国民議会選、在外投票15か国32万人


◎【カイロ=長谷川由紀】イラク独立選挙管理委員会のハムディア・フセイニ委員は16日、ヨルダン・アンマンで記者会見し、イラク国民議会選挙の在外投票者数が15か国で計32万人以上にのぼったことを明らかにした。

 最も投票者数が多かった国はイランで約5万9000人、ヨルダン、スウェーデン、英国などが続いた。1月の暫定国民議会選挙の在外投票者数は、14か国で約26万5000人だった。(読売)




■連立与党入りに意欲 イラクスンニ派幹部


◎【カイロ17日共同】イラク連邦議会選挙について、イスラムスンニ派の有力会派「イラクの調和」の幹部アドナン・ドレイミ氏は17日、記者会見で「選挙は成功した。議会でイラク人の権利を守る、強い会派づくりに加わる」と述べ、今後の協議を通じて連立与党入りする意欲を示した。
 シーア派宗教勢力の与党「統一イラク同盟」に反発するドレイミ氏らスンニ派陣営幹部は、選挙前から、アラウィ前首相が率いる世俗派「イラク国民名簿」やクルド人の「クルド同盟」との連立政権樹立を目指す意向を示していた。