16カ国外相が東アジアサミット宣言案を承認


■<ASEAN>東アジアサミット宣言案を承認 16カ国外相


◎【クアラルンプール藤田悟】東南アジア諸国連合ASEAN)は10日、クアラルンプールで、日中韓とインド、豪州、ニュージーランドを加えた16カ国の「東アジアサミット」参加国による外相昼食会を開き、将来の共同体構築に向け、同サミットが「重要な役割を果たす」と明記した首脳宣言案を承認した。これにより、ASEANプラス3(日中韓)と東アジアサミットの双方に共同体構築への重層的役割を持たせ、当面は共同体の枠組みを明確にしないことで決着する方向性が固まった。
 将来の東アジア共同体の枠組みをめぐっては、中国などが主張する「ASEANプラス3の13カ国」とするか、日本やインドなどが唱える「サミット参加の16カ国」とするかをめぐって対立が生じ、調整が続けられていた。
 外相レベルで既に合意した「ASEANプラス3」首脳宣言案では「ASEANプラス3は東アジア共同体構築の中心的な場である」との表現が盛り込まれた。これと併せ、サミット首脳宣言案に「サミットはこの地域の共同体構築に重要な役割を果たす」と明記することで合意し、二つの枠組みの両方に共同体構築に向けた役割を持たせることで、「13カ国」か「16カ国」かをめぐる対立を回避した。
 今後は東アジア共同体構想に加わる国の枠組みは明確に定めず、二つの枠組みによる協力を並行させながら、緩やかな形で将来の共同体建設に向けた基盤づくりを図ることになるとみられる。
 「ASEANプラス3」首脳宣言は12日、東アジアサミット宣言は14日、いずれも首脳会議での最終承認を経て発表される。




■域内で包括的な戦略作成へ=鳥インフルエンザ対策声明案−東アジアサミット


◎【クアラルンプール10日時事】当地で14日に開催される東アジア首脳会議(サミット)で発表される鳥インフルエンザ対策に関する特別声明案が10日、明らかになった。声明案は「鳥インフルエンザ流行に備え、国と域内で明確な作業計画や必要資源を伴う戦略を作成する」と明言。サミット参加16カ国が共通課題の対処に向けて示す最初の政治的な意思となる。
 声明案は、「鳥インフルエンザの流行拡大を防ぐため、サミット参加国間で、可能な限りの支援を行うとともに、迅速で透明性が高く、正確な連絡を取り合う」と強調し、国と地域の両レベルで関係機関や各専門分野間の効果的な調整を図るとした。