バグダッドとハナキンで爆弾テロ


■モスクで自爆74人死亡 首都のホテル近くでも


◎【カイロ18日共同】イラク中部ハナキンのイスラムシーア派モスク(礼拝所)2カ所で18日、自爆テロがあり、警察当局によると、少なくとも74人が死亡、75人が負傷した。AP通信が伝えた。犠牲者の人数はさらに増える可能性がある。
 イラクでは来月15日の総選挙を前に、多数派のシーア派と少数派のスンニ派の対立が激しさを増している。
 モスクでは金曜礼拝が行われており、内部に多くの市民がいた。ハナキンは首都バグダッドの北東約150キロ。イラン国境に近く、シーア派クルド人が混在する。
 ロイター通信によると、ハナキンの銀行付近でも爆発があった。
 一方、バグダッドでは同日、外国人記者らが多く滞在するハムラ・ホテル近くで2台の車を使った自爆テロがあり、内務省によると、少なくとも8人が死亡、43人が負傷した。外国人に死傷者はなかった。


【追記】実行犯は爆弾をベルトで体に固定し、モスク内に入り、自爆したという。(時事)




イラク撤退期限設定に難色=米大統領、演説で表明へ


◎【釜山19日時事】ブッシュ米大統領は19日、韓国の首都ソウル郊外の烏山空軍基地で行う演説で、イラク駐留米軍の撤退期限設定に否定的な考えを表明する。ホワイトハウスが演説草稿の抜粋を公表した。
 イラクでの米軍の死者数が2000人を超える中、野党・民主党の有力者、マーサ下院議員が即時撤退開始を求めるなど、撤収戦略の明確化を求める声が強まっている。しかし、ブッシュ大統領は演説で、こうした要求を事実上、改めて拒否する見込みだ。 




ネオコンの情報操作を調査 アルカイダ誇張で国防総省


◎【ワシントン19日共同】米国防総省監察官は、イラク戦争を主導したネオコン新保守主義者)として知られた当時のファイス米国防次官(政策担当)によって、旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダのつながりを誇張する情報操作があったどうか調査を始めた。AP通信が18日伝えた。
 ブッシュ政権に対しては、イラク戦争前に大量破壊兵器に関する情報を歪曲(わいきょく)し米国を戦争に導いたとの批判が高まっている。これにアルカイダ関連の情報操作の疑いが追い打ちをかけた格好で、米軍のイラク早期撤退を求める声がさらに強まりそうだ。




■連続爆発、2カ所で計28人死亡 バグダッド


◎ロイター通信によると、イラクバグダッド南東の市場で19日、爆弾を積んだ車が爆発、少なくとも13人が死亡、約20人が負傷した。また、AP通信によると、バグダッド北東で19日午後、イスラムシーア派の葬列に車1台が突っ込んで爆発。少なくとも15人が死亡、20人以上が負傷した。自爆テロとみられる。(毎日)




■米、サマワ陸自の移動打診 新たな軍事的貢献要請


◎【ワシントン19日共同】米政府が先月、日本政府に対し、イラク南部サマワに駐留する陸上自衛隊を他の地域に移動させ、地方政府の治安・行政能力の向上を目指す新規復興事業に新たな軍事的貢献ができないかどうか打診していたことが19日分かった。復興政策に携わる同盟国の複数の外交筋が明らかにした。来月の総選挙、正統政府樹立という大きな節目を控えながら、イラクでの「泥沼化」懸念をぬぐい去ることができないブッシュ政権が主要同盟国に中長期の軍事的関与を求めた動きが初めて判明した。
 日本政府は現時点での自衛隊の新規復興事業への参加について「不可能」と伝えたが、米政府は今後も同盟国の関与を模索する方針で、16日の日米首脳会談で自衛隊の派遣延長を事実上表明した小泉政権に引き続き協力を要請する可能性がある。




■米下院、イラク撤退案否決 駆け引き激化


◎【ワシントン19日共同】米下院は18日、与党共和党が提出した「イラク即時駐留終結」の是非を問う決議案を否決した。決議案は、チェイニー米副大統領が信頼を寄せ、ブッシュ政権の国防政策にも影響力がある野党民主党の重鎮、マーサ下院議員が早期撤退を訴えたことを受け提出された。
 民主党が、同決議案は党内分裂を狙った「政治的策略」とみて反対に回ったため、圧倒的多数により否決。イラク情勢が泥沼化し先行きが見えない中、両党の駆け引きが激しさを増している。
 議会でイラク問題の議論が再燃したのは(1)泥沼化への危機感の高まり(2)中央情報局(CIA)工作員名漏えい事件で世論操作の実態が表面化した政権への不信感(3)来秋の中間選挙−などが要因。




イラク和解へ準備会合 アラブ連盟が本格的支援


◎【カイロ19日共同】イラク国内で対立を深めている多数派のイスラムシーア派と少数派のスンニ派クルド人による和解と国家の融合に向け、アラブ連盟が呼び掛けた「イラク和解会議」の準備会合が19日、エジプトの首都カイロで3日間の日程で始まった。
 2003年3月のイラク戦争開戦後、一貫してイラクへの関与に慎重だったアラブ連盟が、ようやく本格的な政治支援に乗り出した形。だが泥沼化したイラク情勢の改善にどこまで結び付けられるかは不透明だ。
 準備会合には、イラク各派の政治指導者ら数十人のほか、アラブ諸国の外相らも参加。正統政府樹立後の来年前半に予定される本会議に向け、出席者や議題設定などを協議する。




■一部撤退、来年初めに開始も=イラク駐留米司令官が計画案−CNN


◎【烏山米空軍基地(韓国)19日時事】米CNNテレビ(電子版)は19日、イラク駐留多国籍軍のケーシー司令官が来年初めから駐留米軍の一部撤退を開始する計画案をラムズフェルド国防長官に提出したと報じた。同長官の承認はまだ得られていないという。