チル・ボルジで壁画発見。仏教遺跡の可能性


■王侯貴族女性の壁画か アフガン、とりで跡で発見


アフガニスタン中部のケリガンで2003年に発見された仏教遺跡西方6キロにあるとりで跡「チル・ボルジ」の一角から、仏教礼拝堂とみられる遺構が見つかり、壁画に王侯貴族風の女性が描かれていたことが分かった。龍谷大(京都市)の調査チームが明らかにした。
 調査チームの入沢崇教授(仏教文化学)によると、遺構はアーチ形の回廊状。壁画は、頭に宝冠をかぶり腕輪や首飾りを着けた女性が赤や黄などで彩色され描かれていた。インドのアジャンタ石窟(せっくつ)などでも見られる世俗的なモチーフが題材となっているとされる。
 アフガンでは6−7世紀ごろに仏教文化が最盛期を迎え、8世紀ごろからはイスラム文化が浸透。チル・ボルジはイスラム期の11世紀ごろの建立とされるが、見つかった遺構は仏像を安置する場所「仏がん」の配置形態などから8世紀以前の仏教遺跡の可能性があるという。(ケリガン共同)