平和の願いを込めて、イスラエル軍に殺された息子の臓器を、イスラエルの患者たちに提供


■殺された少年の臓器、パレスチナ人の父「平和願い」提供


イスラエル軍に11歳の息子を誤って殺されたパレスチナ人が、「これ以上子供が殺されないように、平和のメッセージを世界に伝えたい」と、イスラエルの病院に息子の臓器を提供することにした。イスラエル放送によると、少年の臓器は6日、生後半年から56歳までの患者6人に移植された。

 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸北部にあるジェニンで3日、イスラム過激派とイスラエル軍の銃撃戦が起き、アフメド・ハティブ君(11)が頭と胸を撃たれた。イスラエル軍は銃を構えていたので撃ったとしていたが、持っていたのはおもちゃの銃だとわかり、遺憾の意を表明した。アフメド君は5日、イスラエルの病院で亡くなった。

 病院側が臓器提供の承諾を求めたところ、父親のイスマイルさんは「病院に来る道すがら、遊んでいる(イスラエル人の)子供たちをたくさん見た。息子の命を与えることで他の子供たちが遊び続けられることを祈る」と応じた。(朝日)