インドとの停戦ライン開放で合意


■停戦ライン開放で合意 印パ、地震の救援協力


◎ 【イスラマバード30日共同】インド、パキスタン両国政府は30日、パキスタン地震で被害が集中したカシミール地方での救援活動のため、実効支配線(停戦ライン)をまたぐ5ルートを11月7日から開放することで合意したと発表した。
 イスラマバードで29日開かれた外務省局長級協議で合意した。両国が領有権を争う同地方の停戦ラインで分断され、往来が制限されている家族らの面会、救援物資の受け渡しが可能になり、両国の信頼醸成につながりそうだ。
 しかし、ニューデリーで同日発生した同時テロでパキスタンを拠点とするイスラム過激派の関与が指摘されており、インドの捜査の結果次第では地震の救援協力に影響を与える可能性もある。




パキスタン地震 幹線道路復旧、被災民西へ カシミール


◎【サワン(パキスタン北東部アザド・カシミール州)で竹之内満】パキスタン地震で大きな被害が出たアザド・カシミール州の村サワン。土砂崩れで寸断されていた幹線道路の復旧がようやく進み、西へ向かう被災民や、救援物資を満載した車がひっきりなしに往来している。
 幹線道路の片側は切り立ったがけが続き、もろい斜面は今も崩落を繰り返す。渋滞は激しく、周囲は常に白煙のような土ぼこりに包まれる。「私の村は650人中250人が死んだ。まだ15人ががれきに埋まったままだ」。近くの村から7時間かけて歩いてきた無職、ムハンマド・イクバールさん(30)は言った。
 一人娘(13)は右足を切り、ラワルピンディで入院中。家族4人で見舞いに行くという。「村は完全に崩壊してしまった」。村民の心は揺れている。(毎日)