35政治団体が、国民議会選の開票結果を拒否


駐留米軍の削減示唆 米国防長官がイラク訪問


◎【カイロ22日共同】ラムズフェルド米国防長官は22日、急きょイラクを訪問し、駐留米軍高官らと会談した。
 AP通信によると、長官は来年2月までに13万8000人程度に減らす予定とされる駐留米軍について、2個旅団の派遣を取りやめることでさらに削減する可能性を示唆。一方で「政府が発表するまでは最終的な決定ではない」と述べた。アフガニスタンからイラクへ向かう機内で記者団に語った。
 また長官は、連邦議会選挙を終えたイラクで指導者らが新政権樹立に失敗すれば、国際社会の支援を失う恐れがあると指摘。「国を一つにまとめ、戦時の政権を率いる能力のある」指導者の台頭を望むと語った。
 ブレア英首相、ポーランドのマルチンキエウィチュ首相も22日、相次いでイラクを訪問した。




イラク国民議会選、35政治団体が開票結果を拒否


◎【カイロ=柳沢亨之】フランス通信(AFP)によると、イラクイスラムスンニ派の有力政党連合「イラク合意戦線」、アラウィ元首相率いる世俗派「イラク国民リスト」など計35の政治団体は22日、国民議会選挙で大規模な不正があったとして、シーア派政党連合「統一イラク同盟」の優勢を示した中間開票結果を拒否するとの共同声明を発表した。

 本格政権樹立など今後の政治プロセスが不透明になってきた。

 声明は「不正」に関する国際調査と再選挙を要求、受け入れられない場合には国民議会に参加しない可能性も示唆した。選管当局の発表によると、統一イラク同盟の得票率は43%に上る一方、イラク合意戦線が13%、イラク国民リストは8%にとどまっている。(読売)




フセイン元大統領「米兵に拷問された」 狙いは法廷の混乱?


◎米軍・シーア派ら猛反発
 【カイロ=加納洋人】イラク国民議会選挙のため中断していたフセイン元大統領(68)と旧政権幹部七人の犯罪を裁く特別法廷の公判が二十一日、バグダッドで二週間ぶりに再開され、元大統領は「(拘置中に)米兵に殴られ拷問を受けた」などと証言した。米側は、ただちにこれを否定したが、元大統領が審理を混乱させる発言を繰り返していることで、元大統領に対し、早期の極刑を望むイスラムシーア派クルド人勢力が不満を強めている。
 バグダッドからの報道によると、二十一日の公判には、「裁判は不正だ」として前回七日の出廷を拒否したフセイン元大統領も出席した。元大統領ら被告八人は、一九八二年にイラク中部のドゥジャイル村で発生したシーア派住民百四十八人に対する虐殺事件への関与が問われており、前回に引き続き、証人らが、シーア派住民に対して行われた電気ショックなど厳しい拷問や虐殺の実態を証言した。
 元大統領は当初、静かに証人の発言に耳を傾けていたものの、公判の終わりに立ち上がり、「ここにいる(被告)全員が米兵に拷問を受けた」「私は体のあらゆる個所を殴られ、全身に傷が残っている」などと発言。さらに、「われわれの敵はイラクを破壊した米国政府だ」と述べ、駐留米軍を攻撃する武装勢力について「勇敢な男どもで、誇りに思う」と挑戦的な姿勢を再び示した。
 これに対し、米側はただちに「ばかげている」と拷問の事実を否定したが、元大統領は二十二日の法廷で、「ホワイトハウス(米国)はうそつきだ。彼らはイラク化学兵器があると(うそを)言ったが、今度は『サダムの発言は間違いだ』と再びうそを言っている」と反論した。
 相次ぐ元大統領の挑戦的な発言に対し、南部のシーア派地域では、住民が「サダムに死を」などと叫んで元大統領の早期の死刑執行を求めるデモを繰り返すなど不満が高まっている。
 国民議会選の結果、シーア派宗教政党を中心とした「統一イラク同盟」(UIA)が、再び新たな政権で実権を握れば、元大統領らの極刑を求め、裁判の迅速化を要求する声は、さらに強まるとみられる。(産経)




■英軍の活動中止求め座り込み=サドル派、機関銃で武装サマワ


◎【サマワ23日時事】陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワで22日、イスラムシーア派の反米指導者サドル師の支持者が路上に座り込み、英軍のパトロールを中止するよう求めた。サドル師の民兵組織「マハディ軍」のメンバーも覆面姿で機関銃を据え付け、周囲の道路を封鎖した。陸自部隊はサドル派の動向が不穏なことから警戒を強めている。 




■ブレア英首相、イラク駐留英軍の来年の撤退開始を示唆


◎[バスラ(イラク) 22日 ロイター] イラクを訪問したブレア英首相は22日、状況は1年前と全く異なると述べ、英国が向こう6カ月間にイラク駐留軍の縮小に着手する可能性を示唆した。
 同首相は、2003年の米国主導のイラク侵攻以来4度目となる訪問で、イラクの保安・警察部隊のトレーニングは順調に進んでいると語った。
 8000人から成る英駐留軍は、イラク南東部バスラを中心に駐留。イラク軍が国の保安を管理できる力をつけることが英軍撤退の主要条件となる。
 ブレア首相は、英駐留軍の半数が配置されているバスラ近郊シャイバの基地で記者団から、撤兵開始まで6カ月という期間は現実的かと聞かれ、全てが計画どおりに進めば、自国軍を縮小したいとコメント。「現在の状況は1年前とは完全に異なる」と述べた。
 ただし「あいまいなタイムテーブルを設定するのではなく、いつ任務が終了するかを査定する」とした。
 ブレア首相はイラク議会選挙後に英米両軍の首脳と会談、イラク駐留米軍のケーシー司令官は、2006年夏までに一部地域でイラク軍が保安の75%を担当できるようになるとの見通しを伝えていた。
 23日付英タイムズ紙は、匿名の軍関係筋の話として、英国が撤退計画を前に、イラク南部の担当地域の半分でパトロールを停止したと報じた。




バグダッド北方の検問所に武装集団が乱入、イラク兵8人が死亡


◎[バグダッド 23日 ロイター] イラクバグダッドの北方約70キロのアドハイムにある検問所に23日、武装集団が乱入し、イラク人兵士8人が死亡、17人が負傷した。警察当局が明らかにした。
 同検問所はバグダッドと北部キルクークをつなぐ幹線道路にある。
 警察官が匿名を条件に語ったところによると、武装集団は大勢で構成。検問所で機関銃やロケット弾を発射し、衝突のきっかけになったという。
 イラクではここ10日間ほど、議会選挙に伴う警備強化などで比較的平穏な状態が続いていた。