国連独立調査委がシリアの非協力を非難


■シリアの非協力を批判=ハリリ氏暗殺、関与の疑い強まる−独立委報告


◎【ニューヨーク12日時事】国連のアナン事務総長は12日、レバノンのハリリ元首相暗殺事件に関する国際独立調査委員会の追加報告書を安保理に提出した。報告書は、これまでの調査によって、シリア当局の事件関与を指摘した10月の前回報告の結論が補強されたと総括。さらに、シリア政府の調査への協力姿勢は「遅れている」と批判した。
 安保理は前回報告後、シリアの協力が不十分な場合には「さらなる行動を検討できる」とした決議1636を採択している。追加報告書はシリア当局の対応の一部を「調査を妨害する企て」と非難しており、安保理は13日、調査委のメーリス委員長から説明を受け、対応を協議する。 




レバノン元首相暗殺「シリアの調査協力不十分」国連委


◎【ニューヨーク=白川義和】今年2月起きたレバノンのハリリ元首相暗殺事件で、国連の独立調査委員会(デトレブ・メフリス委員長)は12日、第2次報告書を国連安全保障理事会に提出した。

 報告書は、シリアとレバノンの治安当局による共謀を指摘した10月の第1次報告がその後の調査で補強されたとし、シリアの調査への協力は依然、不十分であるとした。

 報告書によると、独立調査委は暗殺に関与した疑いの強いシリア高官ら計19人を特定し、聴取を行った。新たな証人や証言も得られたとする一方で、シリア当局の対応の遅れを指摘。容疑者のシリア高官は事件の関連書類を焼却したと供述したほか、シリアが証人の親族に圧力をかけていた事実も明らかになった。

 独立調査委の任務期限は15日までだが、報告書は延長の必要性を強調。国連安保理は13日から、任務延長などを盛り込んだ決議案の協議に入る。(読売)