アメリカ政府が米議会を無視して軍事支援を再開


インドネシア軍事支援再開 米政府、議会無視して決定


◎【ワシントン23日共同】米国務省は22日、インドネシアに対してこれまで禁じてきた軍事支援の再開を発表した。米議会は先週、インドネシア国軍の人権侵害などを理由に、殺傷力の高い兵器の禁輸継続などを決めていたが、ブッシュ政権はこれを無視して軍事支援再開に踏み切った形で、人権団体などは政府の決定を強く非難している。
 関係筋によると、決定によって殺傷力の高い兵器輸出も可能になり、1999年の東ティモール騒乱で全面停止していた軍事協力の完全再開につながる可能性がある。
 国務省の声明によると、米国はテロとの戦い海上交通の安全保障を支援する目的で、インドネシア国軍の近代化に資する援助を供与する。声明は、世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシア民主化進展をたたえ、バリ島同時爆弾テロなどイスラム過激派による相次ぐテロに対峙(たいじ)するユドヨノ政権を支える必要性を強調した。