インドとの停戦ラインを越えて住民が移動を開始


■各国に一層の拠出要請 パキスタン地震支援国会議


◎【イスラマバード19日共同】10月8日に発生したパキスタン地震の救援促進と復興に向けた支援国会議が19日、イスラマバードで開かれた。約70の国と国際機関が参加し、同国のムシャラフ大統領や国連のアナン事務総長が国際社会に一層の支援を要請。
 パキスタン政府によると、同国の死者数は北部を中心に約7万3000人。隣国インドでも約1300人が死亡、世界銀行などは両国の死者数を8万7000人超と推計している。
 本格的な冬を控え、被災地では迅速な支援が急務だが、国際社会の反応は鈍い。国連は約5億5000万ドルの支援を各国に要請しているが、AP通信によると、表明分を含めた拠出額は約1億6000万ドルにとどまっている。




■印パ、住民越境開始 地震の被災者支援



◎【イスラマバード19日共同】AP通信によると、インドとパキスタンは19日、パキスタン地震の被災者救援のため、領有権を争うカシミール地方で、実効支配線(停戦ライン)1カ所を開放、住民の徒歩による越境が始まった。この日はインド側の23人がパキスタン側に渡った。
 カシミール住民が停戦ラインを徒歩で越境するのは、1947年に始まった第1次印パ戦争でカシミール地方が分断されて以来約58年ぶりとみられる。事実上の核兵器保有国として対立する両国だが、死者7万4000人を超す大災害を契機にした信頼醸成がさらに進みそうだ。
 この日、住民が越境したのはティトワル(インド)−ノーセリ(パキスタン)間の停戦ライン。




■日本、1億ドル追加支援 パキスタン地震の支援国会議


パキスタン地震の復興に向けた支援国会議が19日、イスラマバードで開かれ、日本の塩崎恭久・外務副大臣は追加支援として1億ドル相当の円借款供与を表明した。

 パキスタン政府は今後の復興資金として52億ドルを必要としている。国連のアナン事務総長は冒頭演説で、「我々は人々を守る努力を続けなければならない」と各国に支援を呼びかけた。

 会議には50カ国と国際機関の代表が参加。合計で54億ドルの拠出が表明された。(朝日)