20年ぶりに映画上映


■来月20年ぶりに映画公開=ただしアニメだけ―保守王国サウジ


◎【リヤド16日】極めて保守的なイスラム王国サウジアラビアで、約20年間禁止されていた映画の公開上映が来月、久々に実現する運びとなった。ただし関係者が16日語ったところでは、上映されるのはアニメ作品に限定されるという。(写真はシドニーのオペラハウスでリハーサル中に上映されているアニメ映画「バックスバニー・オン・ブロードウェイ」)

関係者によれば、11月2日か3日からのラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アルフィトル」の休暇期間中、首都リヤドのホテル内に、女性と子供向けの映画館が臨時に設けられる。このプロジェクトを進めてきた企業とリヤド市評議会の間で合意が成立したという。

16日付のアラブ圏紙アルハヤトによると、この臨時映画館は客席が1400。2週間のイード休暇中、1時間の外国アニメ映画が毎晩3回ずつ上映される予定で、5万人以上の入場が見込まれている。

サウジアラビアでは1980年代初め、映画はイスラム法に反すると見なされ、公開上映が禁じられた。ペルシャ湾岸の保守的なイスラム教国の中でも、公開上映がご法度となっているのはサウジだけだ。

もっとも、同国の主要都市にあるカフェでは既に映画やスポーツ番組などが大型テレビで公開されている。アルハヤト紙は、今回の公開上映が全土での本格的な映画解禁につながると予想している。〔AFP=時事〕