レバノン 元治安幹部を一斉拘束 元首相爆殺 「容疑者として聴取」。


【カイロ=加納洋人】レバノン警察当局は三十日、二月に起きたハリリ元首相爆殺事件の解明に当たる国連の国際独立調査委員会の要請に基づき親シリア派の元治安当局幹部を一斉に拘束した。フランス通信(AFP)などが伝えた。

 拘束されたのは、サイード元公安総局長官、ハッジ元国家警察軍長官、アザル国軍情報局長の三人。ハムダン大統領警護隊長も同日、同調査委に出頭し、三人とともに調査委の聴取を受けている。


 シニオラ首相は同日、記者会見し、「彼らは(元首相暗殺の)容疑者として取り調べを受けるため召喚された」と語った。


 事件をめぐっては、レバノンの反シリア派政治家から、シリアの強い影響下にあったとされるレバノン治安機関やシリア情報機関が関与したとの疑惑が指摘されていた。


 レバノンでは事件を引き金に、四月末に駐留シリア軍が完全撤退。その後の総選挙で反シリア勢力が勝利し、親シリアのラフード大統領らとの対決姿勢を強めている。
(産経新聞)